自分の時より念入りに準備 息子のデートに付き添う喜び〈清水健さんの子育て日記〉34

(2021年8月20日付 東京新聞朝刊)

清水健さんの子育て日記

もう立派な野球少年です

「宿題は?」…やっぱり親子だな

 「宿題は?」。自分がこんなにも言うようになるとは思わなかった(笑)。「やらないと終わらないよ」なんて、自分にも言い聞かせるようなことを何度も息子に言っている夏休み。図画工作がまだ残っているのは、僕もそうだったので、やっぱり親子だなと感じます。

 夏休みに入ってすぐにあった初めての小学校の懇談。廊下で順番を待つドキドキ感は、親をしているなと感じる心地よさがありました。落ち着こうとしてもソワソワしてしまう、自分のことのように緊張するものなんですね。

 「何でも積極的に取り組む姿勢があります」。家ではどちらかというと、何に対しても慎重なタイプなのに、学校ではまた違う息子の姿を先生に聞かせてもらい、自分のことのようにうれしくなる。

 初めての参観日もそうだったけど、妻がいたら、僕は行っていただろうか。妻がいない現実をことあるごとに思い知らされる。と同時に、先生とどんな話をしたのか気にはなるけど、あえて聞かないようにしてソワソワしている息子の姿に、親としての責任を強く感じました。

相手を気にかける姿がうれしい

 久々の息子のデートに付き添う。3人で山道を歩きながら、喉は渇いていないか、歩き疲れていないか、相手の女の子のことを気にかける息子の姿がうれしかった。「楽しいと思っていたけど、もっと楽しかったね」。帰りの車の中で、そんな会話を交わす2人。

 久しぶりに会うから、2人でたくさんお話ができる場所がいいんじゃないか、暑くなると思うので日陰で休める場所もあった方がいいんじゃないか。自分がデートしていた時よりも念入りに行き先を調べたり迷ったり。凍らせたタオルとペットボトルを入れたいつもより重いリュックで背中は汗びっしょりだったけど、小学1年生同士、それぞれに少し照れながらも楽しそうにしている2人の姿に、親としての喜びを感じます。

 風が強い日、いつもより速く流れる雲を見て、「空の上でママは大丈夫かな」。2人の会話でポツリとそう話した息子。ママがいないという自分ではどうしようもない現実を、息子は息子なりに受け入れています。寂しがっているわけではない。ママがいないことが当たり前。「ほんまやな。大丈夫だよ」「うん、大丈夫だよね!」。今年のお盆も、家族でゆっくりと、いつも通りに妻の写真の前で手をあわせました。(フリーアナウンサー)

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