〈中倉彰子さんの子育て日記〉23・新しいことに挑戦

(2014年1月31日付 東京新聞朝刊)

お菓子教室へ

 先日、友人が開いているお菓子教室に、長女のマイ(8つ)と行きました。お菓子作りの経験はほとんどないのですが、子どもと一緒なら楽しくできるかなと思い、参加しました。

 メニューは「マドレーヌ」と「ロールケーキ」。マイはとても楽しそうです。先生から、「この材料を量ってくれるかな?」とお願いされると、「やりたい!」と、とても積極的でした。

 「砂糖をたくさん入れる」とか、「生地はこんなに長い時間練る」とか、実際に作ってみると、いろいろなことが分かったようです。2時間くらいかけて出来上がったお菓子は、とてもとてもおいしかった。

週末クッキング

 習ったことは、すぐ復習しないと。次の週末は、子どもたちとクッキング。妹のマキ(5つ)と弟のシン(3つ)も、張り切っています。

 「お菓子作りはね、ちゃんと材料を量らないとダメなの」とマイは早くも先生気取り。ところが、家にあるはずの「泡立て器」が見当たりません。「もうママ、あるって言ったじゃない」とマイ。仕方がないので、菜箸を二膳合わせてグルグル。これでなんとか大丈夫。皆で交代し、協力しながら一生懸命まぜまぜしました。

 シンは、混ぜている時間が長かったせいか、生地に指を突っ込んで、つまみ食いです。「こらー、まだ焼いてないんだから、ダメ!」とお姉ちゃんたちから大目玉。食いしん坊のシンは「はやく食べたいなぁ~」とため息でした。

 さて、ところどころは私も手伝いましたが、なんとか子どもたちだけで無事完成。貝殻の型からスルッと抜け出たマドレーヌが網の上に転がると、子どもたちから歓声が上がりました。

 時間は結構かかるけど(ママ視点だと、台所の洗い物も増えるけど‥)、みんなで作ると、連帯感が生まれていいなあ。

 今年はこんなふうに、「子どもたちと一緒に新しい事に挑戦する」を子育ての目標にしていこう。

 気持ちを新たにしていると、「マドレーヌかじったのは誰!」と台所からマイの叫び声。パパ用に、袋に詰めておいたマドレーヌがかじられている。シンは慌てて「シンじゃないよ!」。最近このセリフが多いのです。でもしっかり残った歯形をみれば、一目瞭然。きょうだいげんかは、今年も多くありそうです。(プロ棋士)