世田谷区が中学3年生の全クラスで新聞を購読 「いつでも手に取って読める環境に」

岩岡千景 (2020年2月1日付 東京新聞朝刊)
 東京都世田谷区教育委員会は1月31日、新年度から、区立中学校の3年生全クラスに毎日、日刊紙を届けると明らかにした。

日刊紙6紙の順に購入し教室へ

 世田谷区教委によると、区立中は29校あり、3年生は111クラス(本年度)。日刊紙6紙(東京、朝日、読売、毎日、日経、産経)を一紙ずつ順に一定期間購入し、授業が行われる年間約200日、各教室に1部ずつ届ける。区教委の担当者は「いつでも手に取って読める環境づくりが目的」と話している。

 区では、中学2年で新聞の社説を読んで考えさせる「朝学習」を実施。3年生では、新聞から時事的知識を身に付けてもらい、論理的思考力や表現力を育てようと新年度予算案に購入費を盛り込んだ。

新聞を見たことがない子にも

 保坂展人区長は「最近は新聞を見たことがない子がいる。新聞とはこういうものというところから始め、今回は中学生だが、年齢層を広げたい」と話した。

 日本新聞協会NIE(教育に新聞を)コーディネーターで北区立小元校長の関口修司さんは「一般的に小中学校では図書室などに一紙か二紙、置かれており、区教委が主体となり予算化したのは画期的。新聞を教育に取り入れる一つのモデルケースになりうる」と話している。