「下着は白」「男子は短髪」…ヘンな校則を一斉廃止 世田谷区立中、2020年度から

岩岡千景 (2019年11月28日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 下着は白色に限り、髪は男子が襟にかからないように、女子は長髪を束ねること-。不合理で理不尽とも思えるような事細かな校則に「そこまで定める必要があるのか」といった疑問の声が出ていることを受け、東京都世田谷区の区立中学校が一斉に、下着や男女別の髪形規定などをなくすことを決めた。新しい校則は2020年度から適用される。 

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下着は「目立たないシャツ」、性別問わず「清潔な髪形」に変更

 世田谷区議会で校則の問題を指摘してきた桃野芳文区議によると、現在、制服の下に着るものに関する校則は区立中学29校のうち13校にある。「ワイシャツの下は白で無地のシャツ(下着、キャミソール含む)、体育着などを着用する」「ワイシャツ、ブラウスの色は白、下着も白を基本とする」など、色を白と限るのが12校で、1校は色柄を禁じる。これらの校則は20年度から、「ワイシャツの下に目立たないシャツを着用する」などに変わる。

 男女別に髪形を定めた校則は7校。男子は目や耳、襟にかからないこと、女子は肩より長くなったら束ねるなどが、今後は男女の区別なく「清潔で活動しやすい髪形を基本とする」などとする。

 また、ある中学の「給食中は牛乳をしっかり飲む」や、学年ごとに使用するトイレを定めるなど行動を細かく定めた校則もなくす。

区教委「主体性養うため、必要性と妥当性を見直してもらった」

 桃野区議ら議会側からの問題提起を受け、世田谷区教育委員会の教育指導課は、今月下旬に各校の校則をホームページで公開してもらい、合わせて内容を点検した。その結果、見直しが必要と判断し、各校がそれぞれ取り組んだという。

 同課は「校則には子どもの主体性や自立性を養う意味があり、それに照らし必要性と妥当性を見直してもらった。校則は各学校で決めるのが原則で、区全体で変わるのは珍しいのでは」とする。

 桃野区議は「公立中学や高校の多くは、時代に合わせて校則を変える力が働かない。下着の色を決めるのは人権侵害だし、LGBT(性的少数者)への配慮が求められる今『男子は-』『女子は-』という校則は時代に合わない。変わって良かったし、強制するような実態も残さないでほしい」と話した。

「最終的には特性ある子に配慮を」

◇校則がなく、生徒の自主性を重んじる教育で知られる世田谷区立桜丘中学の西郷孝彦校長の話
 見直すべき校則にはレベルがある。
(1)人権にかかわる
(2)合理的理由がない
(3)発達障害があったり、外国から来たりという特性がある子には守るのが難しい
 人権にかかわるものはもとより、最終的には特性がある子に配慮するレベルまで見直してほしい。

「珍しいし、画期的な取り組み」

◇「ブラック校則」の共著書がある教育社会学者で名古屋大大学院の内田良准教授の話
 世田谷区の取り組みは珍しいし、画期的。大阪府で髪が生まれつき茶色い高校生が教員らから黒染めを強要されて不登校になり、裁判を起こして2年たつ。学校が自主的に動いてほしかったし、古い校則が残る学校は全国にまだ多いが、自らそのおかしさを考え、変えてほしい。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年11月28日

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コメント

  • 匿名 より:

    昔ながらの封建社会からの脱却図る!自主的主体思想を育てる文化いい生活環境です。

  • 匿名 より:

    何が素晴らしいってこの速さ!
    大分県の中学では制服の胸に学校名と名前の刺繍が義務付けられています。黒の学ランには明るいオレンジ色で。教育委員会に言っても、すぐには変えられない、数年かかる、今後検討する。我が子が卒業するまでに何も変わりそうにない。このご時世、学校名、名前を晒して歩くのは安全面で不安。

  • 匿名 より:

    戦後、何十年も経って何をやってきたんだって感じがする。「男子は短髪」強制って言うのは差別であり支配的だと昔から思っていました。

  • 匿名 より:

    世田谷区立の中学校に通っています。今でも下着は白と言われますよ。私なんか一度、男性教師に体育着の隙間から見えた下着を注意されました。

  • 匿名 より:

    とても共感できる内容でした。
    こういう動きが他の地域でも進んで欲しいです

  • 匿名 より:

    世田谷区の取り組み、素晴らしい

  • 匿名 より:

    画期的な事が悲しいこと。
    又聞きになるが「教育者は豆腐ではなく納豆を作らなければならない」素晴らしい言葉だと思うが、それが教育の現場で実践されているとは思えない。
    私が学生だった80年代から見ると、今の子どもたちは行儀が良すぎる。小学生でも、会社員のように大人しいし、反面社会人は幼稚さが抜けきらない。失敗は成功の母と言うが、子供を規則で縛りつければ、失敗しない代わりに経験のないテストされない工業製品のような人間が量産されてしまう。
    私は性同一障害でプールに入れず、単位の為に枯葉も落ちた北国の10月に一人で淀んだプールで泳ぐ事を選んだ。この話をすると昔は体罰が、と、言われるが、無言で社会から排除し、白い豆腐を敷き詰めるかのような今の教育はいかがなものか。
    今の教育現場は過労が蔓延し、悲鳴で満ちている。教員は倒れそうな状況で、上からの命令に逆らう気力もなく、規則だけが増えていく。
    今回、校則が減った事は喜ばしい。次は教員の負担を減らし、子どもたちに思い切り失敗させて欲しい。失敗しても笑える子供が増えれば、未来はそう暗くも無いだろう。

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