港区が「学年別登校」で児童受け入れ コロナ休校のストレス対策、公園の過密ぶりを分散させる目的も
市川千晴 (2020年3月11日付 東京新聞朝刊)
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため全国的に臨時休校になる中、東京都港区は週に1、2回、児童・生徒が学年ごとに交代で登校する「学校開放」の取り組みを全小中学校で始めた。休校中の生活を指導するほか、級友らと会うことでストレスや不安を減らすことを目指す。希望者が対象。
月~木は4年生まで、金は5・6年生 学習と運動1時間ずつ
時間は月~金曜(春分の日を除く)の午前9時~11時ごろ。多くの小学校は月~木曜に1~4年生、金曜に5、6年生が登校する。中学校は週2回程度、登校する。普段よりも教室にいる子どもの数を減らすなどして、学習と校庭での運動をそれぞれ1時間程度行う。
御成門小(芝公園)では9日、1年生74人のうち21人が登校し、宿題をしたり校庭でボール遊びなどした。和田京子校長は「子どもはそれぞれ、性格も家庭の状況も違うので、休校中をどう過ごしているか気掛かりだったが、元気な声を聞いて安心しました」と話した。
港区教育委員会によると、休校により、一部の公園に子どもが普段の4倍以上集まっている。学校開放には、子どもが過度に集まらないようにする目的もある。また、ボール遊びを禁止する公園が多いため、遊び場を確保する意味合いもあるという。
全小学校で学童の登録ない児童を受け入れ 保護者が要望、613人
学校開放のほか、港区は学童保育に登録していない児童の受け入れを全小学校で始めた。保護者の仕事などにより自宅で過ごすことが困難な児童が対象。
保護者から「受け入れ場所を作ってほしい」と約100件の要望があった。9日までに利用登録をしたのは613人で、港区内の児童約9400人のうち約6.5%。学童保育は約1000人が利用している。
御成門小では、図書室などで子どもたちが学童スタッフらと宿題やカードゲーム、読書などをして過ごしていた。校庭で久しぶりに体を動かす子も。校舎1階部分は学校開放と学童の子どもたちが利用するので、それぞれ時間割を作り、校庭で大勢が一度に集まることがないよう調整している。