図工しよっか!府中の「あそびのアトリエ」 休校中の子どもの居場所に 運営の小学講師「こんな時こそ」
松村裕子 (2020年3月13日付 東京新聞朝刊)
新型コロナウイルス対策で学校休校や施設の休館が続く中、図画工作が楽しめる東京都府中市の「あそびのアトリエ ズッコロッカ」(清水が丘3)が親子連れらの人気を集めている。運営する日野市の水野明香(さやか)さん(37)は小学校の図工講師で、アトリエは昨夏にオープンさせたばかり。「子どもたちの居場所として開設したので、こんな時こそできることをしたい」と話す。
「久しぶりに来たけど、家にいるより楽しい」
「家ではYouTubeを見るくらい」「久しぶりに来たけど、家にいるより楽しい」。壁の装飾を作っていた府中市の小学生たちは笑顔を見せた。息子の保育園が登園自粛になり、子連れで訪れた小金井市の母親(38)は「休館の施設が多く、家ではやることがない。こういう場所があると助かる」と喜んだ。
水野さんは府中市立小学校の図工教諭だったが、数年前から放課後に子どもたちが学年を超え、ものづくりを楽しめる場所をつくりたいと考えていた。昨春、アトリエにできる部屋を借りるめどが立ったため教諭を辞め、改装して開設。今は市立小で講師をしながら運営している。
感染防止に検温など条件 青果店の店番体験も
ズッコロッカは「図工でもしよっか」を意味する。アトリエは、古いアパート2階の3DKの部屋。毎週水曜の午後を中心に、子どもも大人も部屋にある材料や道具を使い、図工を楽しめる場になっている。
新型コロナの感染拡大後、休止も検討したが、学校とともに各種施設が休館し、子どもたちが行き場をなくした状況に「居場所を確保したい」と継続を決めた。ただ感染防止のため、検温やマスク着用、手の消毒などを条件に加えた。子どもらが部屋の中に密集しないよう、アパート一階の野菜販売店の協力を受け、看板や値札を作って店番をする体験も始めた。
3月中は水曜だけでなく月、金曜にも開所日を設ける。1回1000円。開所日時はズッコロッカのホームページに掲載する。