首都圏の学校が3ヵ月ぶり再開 机は2m間隔、英会話にフェイスシールド使用も
加藤健太、土門哲雄、林朋実 (2020年6月2日付 東京新聞朝刊)
新型コロナウイルスの影響で休校が続いていた東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県の学校が1日、約3カ月ぶりに再開した。段階的な分散登校で、感染防止や心のケアに努めながら、遅れた学習をどうフォローしていくかが課題になる。
中3「再開よかったが、第二波が来たら受験に影響しそう」
葛飾区立立石中では小雨の中、全校生徒368人が学年ごとに時間をずらして登校。机を2メートル間隔に並べた体育館などでホームルームに臨んだ。黒沢晴男校長は、休校期間を「学校に血液が流れていないのと同じ」と話し、「生徒たちが戻ってきてうれしい」とほっとした様子だった。
全生徒に手作りの布マスクを1枚ずつ用意。代表で受け取った3年生の中台優輝さんは「外に出られず退屈な日々だった。再開されてよかったが、第二波が来たら受験に影響が出そう」と話した。
「マスクでは発音伝わらない」教員がフィルムで手作り
教員と生徒全員分のフェイスシールドも準備。英語の教員が「マスクをしていると発音や口の動きがうまく伝わらないのでは」と考えたのがきっかけで、身近な透明フィルムを加工して教員が作った。合唱や英会話などで使うという。
入学式は6日の予定で、1年生は1日が初登校。待ち望んでいたかのように、ホームルームの1時間前から真新しい制服を着て登校する姿が見られた。生徒たちは机や椅子を入念に消毒してから下校した。
「子どもの表情明るく安心した。でも張り切りすぎずに」
世田谷区立千歳台小では1、4、5年生の半分が登校。始業式に代え、薄井康裕校長と6年生のあいさつを各教室に放送で流した。
薄井校長は「子どもたちが安心して学校にいられる『所属感』、人間関係づくりを大事にしていきたい」。第二波を心配する一方、「やっぱり学校に来てみんなで勉強すると楽しいよね、と思ってもらえるような毎日にしたい」と話した。
同じく1日に再開した東村山市立青葉小では、1年生のクラス担任の亀山草太教諭(33)が「明るい表情で、楽しそうに登校する子が多くて安心した。学校で子どもの声が聞けるのは本当にうれしい。来週からは給食も始まって通常登校になるが、張り切りすぎずに子どもたちのペースに合わせていきたい」と話した。