修学旅行が中止…そこで「京都・奈良VR」 JTBが開発、中野の区立中が体験授業
西川正志 (2021年1月8日付 東京新聞朝刊)
中野区教育委員会は、新型コロナウイルスの影響で中止となった区立中学校の修学旅行の代わりに、仮想現実(VR)を使い、奈良や京都の寺院の見学など現地を疑似体験する授業を実施する。また、受験を終えた3月ごろには都内近郊への日帰り旅行も行うという。
コロナ禍で中止 代替案を模索
中野区教委によると、区立中学校全10校の3年生約1000人は2泊3日で奈良、京都を目的地とした修学旅行に行く予定だったが、コロナ禍で昨年8月に中止が決定。その後も区教委と学校の間で代替案を模索する中、現地の雰囲気を感じたりできるようにとVRを使った疑似体験を実施することを決めた。
VRは、旅行大手のJTBが奈良や京都の神社仏閣などの観光名所を巡るプログラムを開発し、各地の学校が修学旅行の代替として活用している。中野区の各中学校でも旅行会社に依頼し、独自プランを決め、教室など校内で実施する。
3月ごろには日帰り旅行も予定
日帰り旅行は、本来の修学旅行の狙いである「集団での連帯感を深め、人間関係の充実を図る」ことが目的。現地で屋外活動や体験などに取り組む予定だが、今後のコロナの感染状況や生徒、保護者の要望を踏まえながら、内容は決めるという。
区教委の板垣淑子学校教育課長は「修学旅行が中止になり、生徒たちは寂しい思いをしているはず。VRと日帰り旅行が良い思い出となれば」と話している。