〈23区の新年度予算案から〉世田谷区 ひとり親世帯の家賃補助、制度の利用拡大を目指す
岩岡千景 (2021年2月2日付 東京新聞朝刊)
東京都世田谷区は新年度、新型コロナの影響で困窮している区民らへの支援を強化する。低所得のひとり親世帯の家賃を一部補助する国の制度を使う家主(賃貸人)に1戸10万円の協力金を支払うなどして制度の利用拡大を目指す。
「教育総合センター」を12月に開設
また、事業転換など経営を改革する中小企業を支援。事業費を補助するほか、経営に関する専門家や区内のモデル事業者を派遣する。
コロナ対策に約18億円を計上。症状がない介護施設職員らの定期的なPCR検査を9月まで行う。保坂展人区長は「収束の見通しが立たない中、取り組みを継続する必要がある」と説明。看護師を増やして保健所の対応も強化する。
子どもと保護者、教員を支援し教育を進める「教育総合センター」を12月に開設。不登校の児童生徒の支援施設が入り、教員研修などにも活用する。本庁舎などの整備工事にも着手し、予算額は約32億円。
特別区税で約76億円、特別区財政調整交付金で約52億円の減収を見込み、8年ぶりに前年度比減の当初予算。事業見直しなどにより歳出を抑え、目的別積立基金や50億円の財政調整基金を歳入へ繰り入れた。