マインクラフトでSDGs 中学生が持続可能な東大和市の未来を考えた

林朋実 (2021年2月22日付 東京新聞朝刊)

自分たちの作った仮想東大和市の特徴を説明する生徒たち=東大和市立第二中学校で

 東京都東大和市立第二中学校の1年生115人が、持続可能なまちづくりを目指し、人気ゲーム「マインクラフト」で「仮想東大和市」を作った。SDGs(持続可能な開発)を学ぶ授業の一環で、グループごとに出来栄えを競った。19日には優勝と準優勝の2グループが同校で、真如昌美教育長に成果を発表した。 

最貧国に滞在経験のある教諭が発案

 1年生を受け持つ高田裕行教諭(32)が青年海外協力隊としてアフリカのベナンで暮らし、最貧国の生活の厳しさを実感した経験から、生徒たちにSDGsを考えてもらおうと発案した。

 マインクラフトは、土や石、水などさまざまな種類の立方体ブロックで構成された世界で、ものづくりや冒険を楽しむゲーム。生徒たちは夏から、発展途上国の現状と自分たちの生活との関わりや、市のごみ処理費などを幅広く学び、持続可能な町にするための課題を考えた上で、ゲームの中で未来の東大和市を作り上げた。

防災備蓄、太陽光発電、プールろ過

 優勝した川内公介君(13)のグループは、災害を意識して防災備蓄倉庫を充実させ、太陽光発電を主な電源とする町を作った。プールで使った水をろ過して生活用水に回すなどの工夫もした。川内君は「学習を始めたころはSDGsにあまり関心がなかったが、やるうちにどんどんアイデアが湧いてきた」と話した。準優勝グループの土井咲子さん(13)は「町の人全員が気持ち良く過ごせるようにするのが難しかった。想像力を働かせ、多くの人の意見を聞くのが大切だと感じた」と振り返った。真如教育長は「これからも自分たちがどんな役割を果たせるか考え、新しい未来に進んでもらいたい」と激励した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年2月22日