南足柄市が中学校にジェンダーレス制服 スカートとスラックス、ネクタイとリボン…性別問わず選べます
西岡聖雄 (2021年11月29日付 東京新聞朝刊)
性別にとらわれないジェンダーレスの学校制服が広まる中、神奈川県南足柄市教育委員会は、市立の3中学校の生徒が、性別にかかわらずスカートやスラックスを選べる新制服のデザイン案3種類を発表した。来年3月に決定し、2023年度から着用を開始する。
LGBTに配慮 2023年度から着用へ
南足柄市立中3校の制服は男子が詰め襟、女子はセーラー服で長期間変更していない。今回のデザイン案は、いずれも上半身はブレザーに統一。下はスカートかスラックスから選ぶことができる。3校は同じ制服で、ネクタイやリボンの色などで学校の違いを出す。性別にかかわらず、ネクタイかリボンから選べるという。
市教委は今年、性的少数者(LGBT)に配慮した制服のあり方などを、市内の小中学生の保護者にアンケート。「スカートは冬は寒い」など、制服変更を求める声が75%あった。新たな制服は(1)自分で洗える(2)スカートやスラックスを選べるブレザータイプ(3)動きやすく、経済的負担が少ない―などの点から、3業者のデザイン案に絞った。
デザイン3案 来年2月に投票で決定
デザインは来年2月に小学4年以上の全児童・生徒、保護者、教職員の投票で決める。2022年度はジェンダー教育などで理解を促し、新旧の制服を併用できる移行期間を2023年度から3年程度設ける。デザイン案は南足柄市の公式サイトで公開している。
市教委の室伏秀元教育部長(52)は「性を含む多様性を認め合える社会の担い手になってほしい」と話す。
神奈川県教委によると、今年3月時点で、県内の市町村立中の約6割で女子生徒がスラックスを選択できるが、男女ともにスカートかスラックスから選べる学校は「それほど多くないだろう」(担当者)という。
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