「不登校でも大丈夫」を伝えるYouTubeチャンネルが反響「涙がこぼれた」 経験者や臨床心理士も登場

鈴木みのり (2022年1月12日付 東京新聞朝刊)

動画を通して、不登校の子どもと親に助言する新田さん=YouTubeから

 不登校や障害のある子どもが学ぶ千葉市中央区のNPO法人「スペース海」理事長の新田恒夫さん(66)が、YouTubeチャンネル「不登校チャンネル/スペース海」で当事者やその親たちへ向け、これまでの支援活動に基づいた助言をしたり、不登校経験者と対談したりする様子を動画を通して紹介している。

支援活動30年「スペース海」が動画32本

 「不登校の初期対応は」「学校に行かない子どもを叱らないためには」―。親向けの動画では、「子どもを無理に学校に行かせようとせずに、親が元気でいることが大事」と助言をする。スペース海を利用していた不登校経験者と新田さんの対談では、経験者が当時の経験を振り返り「(不登校は)恥ずかしいことではない」と話す。

 不登校の子どもとネットゲームの付き合い方については臨床心理士と対談形式で考える。「ゲーム自体が子どもの命綱になっていることもあるから、ある程度認めることが必要」と話す。

 新田さんはスペース海で約30年間、500人以上の子どもと向き合ってきた。昨年5月、「自分の活動を話し言葉で分かりやすく伝えたい」とYouTubeチャンネルを開設。自分がかつて相談を受けた話題などからテーマを選び、編集作業は知り合いに担当してもらっている。

 毎週土曜に更新し、これまでに32本の動画を制作した。コメント欄には「涙がこぼれた」「心が軽くなった」といった言葉が並ぶ。新田さんは「不登校の期間は、自分と向き合う時間にもなる。不登校の子とその親に、大丈夫だよと伝えたい」と話す。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年1月12日