中高生がSDGsラーメン店をプロデュース 柏にオープン、途上国支援も
食器、エプロン、コーヒーにもこだわり
店舗運営やラーメンのメニューは、大阪在住の高校1年生でユーグレナCFO(最高未来責任者)の川崎レナさん(16)らの提案を形にした。またカフェメニューは、麗澤中学・高校SDGs研究会「EARTH」が支援活動をする東ティモール産のフェアトレードコーヒーを導入。フェアトレードは、発展途上国から原料や製品を適正価格で買い、生産者が正当な利益を得る取り組み。
川崎さんらの提案は13項目に及び、8~9割が採用されたという。食器にプラスチック製品は使わず、スタッフのエプロンは、タマネギの皮などから抽出された成分で染める「オニベジ仕様」。食材に地元産の野菜を使い、生ごみはコンポストで処理し肥料として再利用する。メニューでは完全菜食主義者の「ビーガン」向けも開発した。
また、女性が働きやすい職場を掲げ、棚の高さを低くするなどキッチン回りを工夫。店長を含め、女性を積極的に雇用した。
バングラデシュの子どもたちに栄養価の高いクッキーを無料配布するプログラムに協賛し、ドリンク一杯につき10円が寄付される。フェアトレードコーヒーの導入と合わせ、売れば売るほど最貧国の生産者や子どもたちのためになる仕組みだ。
川崎さんは「お客さまは店を利用しただけで、無意識のうちにサステナブルな社会づくりに寄与している。そんな見えないところにこだわった」と話す。
「東ティモールの現状を知ってほしい」
一方、SDGs研究会は、中高合わせて部員約60人。17ある全ての目標達成に向けて「今、私たちができること」に取り組んでいる。4人に1人がコーヒー産業で生計を立てているとされる東ティモールの生産者を支援しようと、2018年からフェアトレードコーヒーの活動を始めた。
校内イベントではハンドドリップで提供したり、ドリップバッグを販売したり。コロナ禍で対面活動ができなくなると、オンラインショップを立ち上げ、これまでに約3000個を販売した。
今回、飲食店のカフェメニューに取り入れられ、担当した木本理来(りら)さん(高校1年)は「1杯のコーヒーを通して、貧しい東ティモールの現状を知ってほしい」と願う。
また、研究会はお店が取り組むSDGs目標をまとめたガイドブックを制作。プロジェクトリーダーの大塚璃空(りく)さん(同)は「多くのお客さんにSDGsを広めることができれば」と期待した。
ボリューム満点のみそラーメンが売りの「めん王」とは対照的に、おしゃれでヘルシーなメニューも用意した「MEN-OH」。宮崎孝志統括部長は「ユーグレナと麗澤の生徒さんから多くの気付きをいただいた。大量生産、大量廃棄から抜け出し、新しい価値観で食と健康を提供していきたい」と話している。