都立高入試の英語スピーキングテストは中止すべき 「公平な採点に疑問」市民団体がオンライン署名活動

小松田健一 (2022年4月2日付 東京新聞朝刊)
 東京都教育委員会が都内公立中学校3年生を対象に11月に実施する英語スピーキングテストをめぐり、専門家や教員らでつくる市民団体「入試改革を考える会」が3月30日、文部科学省で記者会見し、問題が多いとして中止を求めた。

試験監督や採点はベネッセが受託

 中京大教授(当時、現武蔵大教授)の大内裕和代表は「採点者がどんな人たちかはっきりせず、公平、正確に採点できるか疑問。現状では授業で十分に話す機会をつくるのが難しく、校外で勉強できる生徒が有利。家庭の経済力による格差が拡大する恐れもある」と指摘した。入試改革を考える会は中止を求めるオンライン署名を募っており、12日に都教委へ提出する。1日現在、約9300人が署名した。

 英語スピーキングテストの成績は6段階で評価し、生徒の調査書に記載して2023年度都立高校入試の選抜に活用する。試験監督や採点はベネッセコーポレーションが受託している。