学童保育の児童数が134万人 過去最多の昨年より4万人増加 保護者の長時間労働が背景に 東京の待機児童は3674人
奥野斐 (2022年11月18日付 東京新聞朝刊)
共働きやひとり親家庭の小学生が利用する「放課後児童クラブ(学童保育)」の全国の入所児童数は5月1日時点で134万8122人で、過去最多の昨年を約4万人上回ったことが全国学童保育連絡協議会(東京)の調査で分かった。協議会は、保護者の就労時間の長時間化などが背景にあるとみている。
「専門性を持つ職員の専任、常勤を」
昨年は新型コロナウイルスの影響で3年生以上は前年比減だったが、今年は全学年で前年比増だった。希望しても入所できない「待機児童」は1万5506人。東京都は3674人と全国最多だった。
国が1カ所で預かる適正な児童数として示す「おおむね40人以下」は6割超で実現。一方で児童数70人超が3.2%あり、東京都は7.7%に上った。
17日に東京・霞が関の厚生労働省で記者会見した協議会の佐藤愛子事務局次長は、来年4月のこども家庭庁創設に向けて「子どもが育つ学童保育の根幹を担う専門性を持った職員の専任、常勤、複数体制の実現を」と求めた。
協議会は1741の全市区町村の回答を集計した。学童保育は、国の基準に基づき市区町村や民間が運営。保護者が施設に直接申し込む例もあり、市区町村が待機児童数を把握していない場合もある。