夏場のお弁当、傷まないようにするには? 調理のポイントと詰め方を解説します
とにかく加熱 作り置きのおかずも
まず、手をよく洗うのは大前提。「ネイルをしている場合は薄手の手袋を使って。調理中に肉や魚を触った後も忘れずに」
調理する際に一番大事なポイントは、とにかく加熱することです。そのまま食べられるハムやちくわなど加熱済みの食品も、火を通すと安心。作り置きのおかずも温め直します。「温めて再び冷ますのは二度手間ですが、食中毒の原因となる菌の繁殖を抑えるためには必要です」
主食で気を付けたいのは、おにぎり。「素手で握らずラップで包んで。形を整えたら、蒸気を逃がすため、もう一度ラップを広げて冷まして」。ご飯をそのまま詰める時は、皿などに広げて冷ましてから。時間がない時は薄く広げたり、皿の下にぬれ布巾を敷いたりすると早く冷めます。「具だくさんのまぜご飯や卵を使ったチャーハンは傷みやすいのでお勧めしません」
水分も大敵 カップの中にひと工夫
雑菌が繁殖する水分も大敵です。おひたしや煮物など汁気のあるおかずはキッチンペーパーで水分を除きます。おかず用のカップに詰め、底に新しいキッチンペーパーを敷くとさらによいほか、「カップの中にかつお節やすりごまを入れると水分を吸ってくれ、風味も増します」。おかずごとラップで包んでもOK。他の食品に汁気を移動させないことが肝心です。
卵はしっかり火を通します。「水分が出やすいポテトサラダを入れる場合、マヨネーズは詰める直前に混ぜて。大人の場合は、可能ならマヨネーズは職場の冷蔵庫などに置いておけるとよいですね」
水分の多い生の葉野菜は避けます。ご飯やおかずの仕切りとして、レタスやキャベツは使わない方が無難です。果物は水が出やすいので、別の容器に入れてしっかり冷やします。
抗菌作用のある梅干しや酢を使って
実践しやすい調理のコツは2つあり、1つ目は濃いめの味付け。砂糖や塩は、食材に水分を閉じ込める働きがあり、菌の繁殖に使われる水分が減るため、傷みにくくなります。
もう一つは、抗菌作用のある食品を使うこと。抗菌作用の強い梅干しは、1粒ポンとのせるより、ほぐしてご飯の上に散らしたり混ぜ込んだりする方が効果的。米1合に対し小さじ1.5杯ほどの酢を入れて炊くのも有効です。野菜も生ではなく、ピクルスやマリネに。カレー粉を肉に加えると食欲も増します。
朝、忙しい時は、焼き鳥の缶詰などを上手に活用するのも一つの手です。
詰める際は、料理に使った箸は使わず、清潔な菜箸を使います。保冷も忘れずに。「冷たい空気は下に向かって対流するので、保冷剤は弁当箱の上にのせましょう」