「算数の掛け算の順序」を取り上げた記事に反響 「納得できない理由で×にされ、ショック」の声も より広い議論を

(2023年7月7日付 東京新聞朝刊)

式を逆に書いて不正解とされた児童の答案

掛け算はひとまとまりを捉える単元

 小2算数の掛け算の順序について取り上げた「掛け算の順序問題に決着はつくのか?『車が6台。1台に5人乗ると…』6×5か5×6か 文科省に聞いてみた」という記事を、先月公開しました。「文章題の式でA×BをB×Aと書くと×にされるのはおかしいのでは」という議論は長年続いており、先生たちがテストの採点に戸惑っていることや、文部科学省の見解を紹介しました。

 現場の先生に取材する中で聞かれたのは「掛け算はひとまとまりを捉える単元。ひとまとまりさえ捉えられていれば、順序はどちらでもいい」「算数を専門としない先生が業者テストの教師用正答の通りに一律に判定するケースもあるのでは」との声。「テストの○×よりも子どもと授業でどういう話をしているかが大事」という指摘もありました。

算数嫌いなど思いも寄らない影響も…

 一方、記事を読んだ東京都江戸川区の辻野まなカロリナさん(15)からは「小学校高学年の時、得意だった算数のテストで高得点を期待したが、掛け算の順序が違うとの理由で×をつけられた。100点満点中30点の点数がつき、かなりのショックを受けた」との声が寄せられました。「別の先生に×をつけられたことはなく、何度話しても○になることはなかった」と。辻野さんは「納得できない理由で×にされると、子どもが算数を嫌いになってしまうなど思いも寄らない影響が出るかもしれない。自分にとってわかりやすい解き方を見つけること、それが認められることこそが本当の学びの『力』になると思う」と訴えます。

 「どちらも○にするべきだ」との立場の河合塾講師の迫田昂輝(さこだこうき)さんは「SNS上や教師間だけの議論になっていると感じる。より広い議論が行われるべきだ」と話します。子どもたちが算数を面白いと感じ、能力を伸ばしていけるよう、当事者以外も巻き込み、考えるきっかけになればと思います。

コメント

  • 掛け順強制派の主張によれば、「1個あたりの量×個数」と書くべきだそうです。しかし社会に出れば、「個数×1個あたりの量」で書くことが多くあります。例えば商品の発注書や株式の注文画面では、個数の次に値段を
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  • 好き嫌いは教え方によって全て決まるものでもない。皆適性がある。それを自覚させることが教育の最大の目標だ。論証に強いに越したことはないが、論証に強い人は弱い人を助ければよいだけだ。論証に強くても騙される
     男性 ---