『「3+1=5」にマルをつけた数学者』に反響 「算数だけの話ではない」「長い目で子どもの成長を信じている」

(2021年7月9日付 東京新聞朝刊)
図解 子どもの誤答、どう考えたの? 谷口隆さんの娘が小学2年生の頃の実例から 「250mm=70cm」と答えた娘に 「どうやって考えたの?」 「250を200と50に分けたの」 「それで?」 「200mmは20cmでしょ?」 「うん」 「だから、20+50で70cm!」 なるほど、50mmの方は5cmに直さずに足してしまったのか ↓ 考え方の道筋は正しかったこと、どの部分で間違えたかが分かる ↓ 適切なヒントを出せる

谷口さんと娘のやりとり。誤答でもよく聞くと『へ~、そんなことを考えていたのか』と感心することも多いという

 『「3+1=5」にマルをつけた数学者が語る、子どもの算数の見守り方』という記事を先月公開しました。誤答に○を付けることの是非も含め、投稿欄やツイッターで議論が活発化しています。

 取材した神戸大大学院教授の谷口隆さん(44)は2児の父。「間違いのプロセスを子どもから丁寧に聞き取ることが大事」という姿勢に、「親も子も忙しく、早く早くと焦るように勉強してしまいがちな今、大事な視点」と反響がありました。

 算数でつまずき文系に進んだという読者は、「『ここまでは分かってる』の助言があればやる気が出せた。子ども時代にそのサポートがあれば違ったのかも」と振り返ります。

 保護者からは、「どんなふうに考えたの?と聞くと、子どもは一生懸命、得意げに説明してくれる」との投稿も。中には「算数だけの話・問題だけではない」と、子育て全般に広げて考えてくれた方もいました。「子どもの考えを最後まで聴くこと。ジャッジではなく、『こういうことかな?』と子どもの思考や思いをわかろうとするスタンスが、自分の考えを持ち、さまざまな感情を親や周りの人に伝えられる子育てにつながる」とつづります。

 22歳の読者は教育全般の視点から、「目の前のことを0か1か(正解か不正解か)で判断せず、長い目で見て子どもの成長を信じている姿勢がとてもすてきです。このような思慮深い教育はAI(人工知能)には難しいのでは」と指摘。人間である親や先生だからこそ交わせるやりとりを、大切に楽しみたいと感じました。 

3

なるほど!

10

グッときた

5

もやもや...

2

もっと
知りたい

すくすくボイス

  • 教師のバント says:

    私は元高校教員の立場から氏に反対する。

    やはり中等教育までの数学の特性上、○×は明確にするべきだ。氏の思考にできるだけ沿うようにするなら、×を付けた上で、どこが誤りなのか丁寧に説明を重ねれば良い。よく「世の中に出れば正解は一つでないことに気付くだろう」と訳知り顔に説教してくる人がいるが、そんなことは当たり前だ。○×をはっきりさせることで、生徒は数学という教科の特徴と物の考え方の一つを学ぶのである。そこを曖昧にすると生徒は確固とした価値観が形成できなくなってしまう。数学を学べば誰でも(数学が)出来るようになる訳ではない。ましてや全ての生徒が(数学が)好きになる訳でもない。数学が出来なくても、国語や英語、美術や体育が出来れば良いではないか。日々の学びの中で得手不得手を知ることが、自分の中の適性の自覚につながり、的確な進路選択につながるのである。そのような意味で、ある教科・科目がぶれることで徒に生徒を迷わすことは害悪ですらある。

    教師のバント 男性 50代
  • やまきゃっと says:

    いいとおもう

    やまきゃっと 無回答 無回答

この記事の感想をお聞かせください

/1000文字まで

編集チームがチェックの上で公開します。内容によっては非公開としたり、一部を削除したり、明らかな誤字等を修正させていただくことがあります。
投稿内容は、東京すくすくや東京新聞など、中日新聞社の運営・発行する媒体で掲載させていただく場合があります。

あなたへのおすすめ

PageTopへ