相模原市立小のいじめ問題 学校と市教委の対応遅れに市長が猛省求める「被害児童には長い時間だった」

古川雅和 (2023年10月3日付 東京新聞朝刊)

相模原市立小学校のいじめ問題で、学校と市教委の対応に猛省を求める本村市長=同市で

 相模原市立小学校で起きたいじめ問題で、本村賢太郎市長は2日、被害児童が自殺をほのめかしていたことについて「子どもが死というものを口にすることはあってはならない」と語り、対応の遅れが指摘される学校や市教育委員会に猛省を求めた。定例記者会見で語った。

自傷行為を繰り返し「死にたい」

 今回の問題で、学校や市教委は昨年6月に保護者からの連絡でいじめを認知しながら、いじめ防止対策推進法で定める重大事態に認定するまで約3カ月かかった。

 児童はいじめを苦に自傷行為を繰り返し、「死にたい」などと保護者に漏らすこともあった。

教育長「学校での初動に問題が」

 本村市長は重大事態に認定するまで「被害児童には長い時間だったと思う」と発言。相模原市教委や学校に対して「初動から時間がかかったことは反省しなければならない」と述べ、対応の適切さや問題点などの検証を求めた。

 会見に同席した渡辺志寿代教育長は「丁寧に取り組んできたが、学校での初動の対応に問題があり、遅れた。事実の確認に時間を要してしまった」と陳謝した。近く市内の学校長らを集めて、いじめ問題に迅速な対応をとるよう求めることを明らかにした。