不登校は身を守る手段です 突然「学校行きたくない」いじめ…?問い詰めず、まずは休ませて
「家にいれば、何があっても安全」と言い聞かせて
「不登校は子どもが自分の身を守る手段。学校に通えないのは、その子や親に問題があるからではなく、学校がその子に合っていないから。学校に行きたがらない時は、とにかく休ませて『家にいれば、何があっても安全』と言い聞かせてほしい」。岐阜県立希望が丘こども医療福祉センターの児童精神科部長・高岡健さん(65)は、こう話す。
高岡さんによると、不登校は小学校でも中学校でもいじめが引き金となることが多い。だが、子どもは自分がいじめられていると認めると、今度はそのこと自体に傷つくため、親が学校に行きたくない理由を聞いても、答えたがらないことが多い。そんな時、親はつい「誰かにいじめられているの?」「理由を言わないと分からないじゃない」などと、子どもを問い詰めがちだ。だが、そうなると子どもは、余計に本音を言いづらくなる。
息抜きのため、親も心配しすぎず外出を
無理に子どもを学校に行かせようとすることも逆効果だ。「親を困らせて、言うことを聞けない自分はだめな子だ」と感じると、自殺まで考えてしまうこともあり得る。「子どもが自分から、今後どうしたいのか話せるようになる時が必ず来る。その時に子どもの話をしっかり聞いて、親子で対策を考えてほしい」と高岡さんは言う。
文科省の調査では、小中学生の不登校は昨年度まで5年連続で増加している。高岡さんは「不登校を経て学校に戻る子もいれば、フリースクールが認知されるようになり、通う子もいる。家にいる間は親子ともに息が詰まるので、親も心配しすぎずに外出するなど、息抜きをしてほしい」とアドバイスする。
行事が多く、グループができやすい2学期は要注意
いじめ対策について講演などをしているNPO法人「ストップいじめ!ナビ」(東京都)副代表の須永祐慈さん(39)は「運動会や文化祭などの学校行事が多く、グループができやすい2学期は、いじめに注意が必要」と話す。
2011年にあった中学2年男子生徒の自殺をきっかけに、大津市は同法人の協力も得て市内の小4から中3を対象に毎年、いじめに関する調査を実施している。発生が最も多い時期は、中学生は10月だった。
須永さん自身も小学4年の時にいじめが原因で、不登校になった。2年ほど家にひきこもったが、6年の時にフリースクールに通い始めた。
不登校の親子を対象にしたサークルなどにも参加し、次第に家から外に出られるようになっていったという。
「家やフリースクールなど、親や周囲の大人が、子どもが安心できる居場所をつくっていくことが大事」と話す。
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