不登校は身を守る手段です 突然「学校行きたくない」いじめ…?問い詰めず、まずは休ませて

(2018年11月9日付 東京新聞朝刊)
 ある日突然、子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら、親はどうしたらいいだろう。昨年度の文部科学省の調査では、不登校の小中学生は14万4000人で、調査を開始した1991年度以降で最多だった。専門家は、不登校にはいじめが関わっている可能性が高いとし「無理に行かせるのではなく、まずは休ませてあげて」とアドバイスする。

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「家にいれば、何があっても安全」と言い聞かせて

 「不登校は子どもが自分の身を守る手段。学校に通えないのは、その子や親に問題があるからではなく、学校がその子に合っていないから。学校に行きたがらない時は、とにかく休ませて『家にいれば、何があっても安全』と言い聞かせてほしい」。岐阜県立希望が丘こども医療福祉センターの児童精神科部長・高岡健さん(65)は、こう話す。

 高岡さんによると、不登校は小学校でも中学校でもいじめが引き金となることが多い。だが、子どもは自分がいじめられていると認めると、今度はそのこと自体に傷つくため、親が学校に行きたくない理由を聞いても、答えたがらないことが多い。そんな時、親はつい「誰かにいじめられているの?」「理由を言わないと分からないじゃない」などと、子どもを問い詰めがちだ。だが、そうなると子どもは、余計に本音を言いづらくなる。

息抜きのため、親も心配しすぎず外出を

 無理に子どもを学校に行かせようとすることも逆効果だ。「親を困らせて、言うことを聞けない自分はだめな子だ」と感じると、自殺まで考えてしまうこともあり得る。「子どもが自分から、今後どうしたいのか話せるようになる時が必ず来る。その時に子どもの話をしっかり聞いて、親子で対策を考えてほしい」と高岡さんは言う。

 文科省の調査では、小中学生の不登校は昨年度まで5年連続で増加している。高岡さんは「不登校を経て学校に戻る子もいれば、フリースクールが認知されるようになり、通う子もいる。家にいる間は親子ともに息が詰まるので、親も心配しすぎずに外出するなど、息抜きをしてほしい」とアドバイスする。

行事が多く、グループができやすい2学期は要注意

 いじめ対策について講演などをしているNPO法人「ストップいじめ!ナビ」(東京都)副代表の須永祐慈さん(39)は「運動会や文化祭などの学校行事が多く、グループができやすい2学期は、いじめに注意が必要」と話す。

 2011年にあった中学2年男子生徒の自殺をきっかけに、大津市は同法人の協力も得て市内の小4から中3を対象に毎年、いじめに関する調査を実施している。発生が最も多い時期は、中学生は10月だった

 須永さん自身も小学4年の時にいじめが原因で、不登校になった。2年ほど家にひきこもったが、6年の時にフリースクールに通い始めた。

 不登校の親子を対象にしたサークルなどにも参加し、次第に家から外に出られるようになっていったという。

 「家やフリースクールなど、親や周囲の大人が、子どもが安心できる居場所をつくっていくことが大事」と話す。

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  • ビタミンC says:

    不登校を直すには?→心と体の安全基地を作る
    安全基地が作れれば子供は安心して学校に通えるようになる

    家庭内に安全基地がない
    ①子供を守れない親の元で育った場合
     パターン1:親の子供への依存度が高く、親を置いて学校に行くのが怖くて不登校
     パターン2:親が恋愛依存症で、目を離すと家からいなくなるかもしれないと不登校
     パターン3:親が子供の守り方がわからず、結果的に放置になって不登校
     パターン4:親が子供なため頼ることができず、子供は問題をひとりで抱えてしまい悪化

    ②親がそもそも加害者である場合
     パターン1:子供のSOSも助けを求めていると受け取れず、甘えや逃避と決めつけて切り捨てる親(男性や男化した女性に多い)
     パターン2:自分の将来や自分の保身・評判ばかり気にして子供を愛せない親(男性や男化した女性に多い)
     パターン3:自分が周囲から責められるのが怖くて子供を責めている親(女性に多い)
     パターン4:相談すると鼻息荒く「悪を成敗する」と復讐に燃えてしまう親(子供は親からの愛や安全を望んでるだけで復讐は望んでない)
     パターン5:自分の体面を保つために子供に過剰な期待を課す親(子供よりも世間体が大事)
     パターン6:姉弟はかわいがられる自分は雑な扱いなど、姉弟間の差別がひどい親(女性に多い)

    いずれのパターンにしても、親と子の両方に心理カウンセリングが必要。本当は親が受けた方がいい。精神的に未成熟なことが原因なので。

    ただ、親がそれを認めて実行できるかというと、それは別です。基本的に加害者は自分の非や問題を認めません。怖くて認められないのです。いじめでも全く同じ現象が起きていると思います。

    そして被害者(子供)が悪い、自分を責めてくる相手(学校など)が悪い、自分だって悩んでるのにと主張します。心理構造や思考回路がクレーマーと一緒です。直らない加害者に手をかけるよりも、直る被害者を保護しないと。子供に呼びかける方が効果的かも。子供の方が話が通じるから。

    まず、安全基地を親以外のところに作る。学校の保健室でもいいし、図書館でもいい。人と会話してもしなくてもいい、人の輪の中にいられて安心安全でいられるような居場所を作ってあげることが急務。

    できれば、傷ついて怯えている子供の心を温かな心で包んであげられる「頼れる大人」もいるといい。

    ビタミンC 女性 30代
  • ぱぴこ says:

    幼稚園から27歳くらいまでいじめられっ子でした。

    自分を見つめ直しカウンセリングを受けるうちに、いじめは家庭内に起因すると知りました。最初は半信半疑だったのですが、カウンセリングを初めて5年、ようやくそれがわかるようになりました。

    いじめの加害者、全員母そっくりだったんです。これに気づいたとき、戦慄しました。私、母にいじめられていたのかと。虐待されていたと。気づかなかったです。

    カウンセリングの先生曰く、幼い内からいじめられているといじめられることが普通になってしまい、よほどひどいいじめを受けない限り気づけなくなるとのこと。母からのいじめは私が3歳くらいからもうすでに始まっていたようでした。確かにそのくらいからすでに私はいじめられっ子で、叩かれたりおもちゃを奪われたり仲間外れにされたり、悪口を言われたり理不尽に怒鳴られたり、言うことを聞かないと延々と責められたり。

    ずっと私が悪いのだと思っていましたが、それは違いました。言うことを聞かないから怒られているのではなかった。母がストレス(主に仕事や旦那への不満)からくる怒りを、逆らえない相手(私や弟)にぶつけていただけ。それを躾だとか言うこと聞かないからとか、正当化してただけなんだなと。

    また、いつも母に頼られっぱなしで、母の母親になっていた。あやしてあげたりわがままを聞いてあげたり愚痴を聞いてあげないとかんしゃくを起こす。マウント取りも激しく、私が下になってあげて母を一番にしてあげないと、勝った気にさせてあげないと怒る。私に良いことが起こったり周囲から評価されると批判し責める。これもいじめっ子との共通点でした。

    ただ、これは母だけが悪いのではありません。母も自分の母親や姉からこういう扱いを受けて育った。世代間の負の連鎖です。

    もし…親御さんが本当にお子さんを救う気があるのなら。ぜひ、お子さんではなく親御さんが心理カウンセリングを受けてみてください。あなたが変わることで救える命があります。加害者が変われば被害者も変わります。子供の頃に被害者だったあなたも、一緒に救われることでしょう。周囲が格段に優しくなります。

    私はもういじめられっ子ではなくなりました。今では優しい人たちばかりに囲まれています。

    親御さんもお子さんも含め、ひとりでも多くの方が救われることを願います。

    ぱぴこ 女性 30代
  • 匿名 says:

    いじの深刻さは、加害者に罪悪感がない点にある。これが近年のいじめの特徴である。場合によっては加害者が強い正義感を持っている場合もある。多くは加害者の人間性に問題がある。被害者が潔癖症の場合もある。大切なのは周囲の大人や同僚たちが、いじめの深刻さを理解できない点である。なぜなら早く解決したいからだ。いじめは人間性の発達段階の問題である。したがって、より加害者の再教育が重要なのである。現代では個別の個性がたいせつにされ、集団としての思考方法は通用しなくなっている。大人たちは集団思考の弊害から抜け出せていない。同級生たちは自分たちよりも特異な性向、生活様式、思考方法、習慣の違いに敏感に反応し、場合によっては反発もある。これは学校教育の集団思考の弊害である。個人の特徴を認める、尊重する生活様式を育てていく必要がある。当面加害者を隔離し、被害者と会わない環境を作る。教育委員会が問題なのは加害者を長期にわたってその環境を作って、人間教育を継続できるかどうかである。少年院に送ることではなく、学校以外の教育機関をつくることである。そこで卒業まで指導するくらいの手間が必要なのです。みんな簡単に考え過ぎます。

      
  • 匿名 says:

    いじめ問題の深刻化は、周囲の大人たちがその本質を見抜けない点にある。これは結論を急ぎすぎて、正邪を早くきめつけたいからである。いじめはまず被害者と加害者を隔離する。これが理屈の上で周囲の大人たちができないのである。隔離後、加害者の教育に時間をかけて欲しい。反省や自己批判では改善しない。孤独の辛さ、深刻さを経験させると同時に、人間としての自立、自律を目指して努力させる指導をお願いしたい。強い指導力や、明確な指導目標など困難な道ではあるが、大人たちは本気で取り組んで欲しい。大切なのは加害者の自律、自立である。病ではない。だから治る、治らないという問題ではない。道は永遠に続く。行政はその筋道を保証する環境を整備して欲しい。

      
  • 匿名 says:

    いつもいじめの事件を見るたびに思いますが、なぜ加害者はのうのうと学校へ通えるのでしょうか。なぜ被害者が不登校になったり転校したり人生を台無しにされなければならないのか。
    加害者に罰を与えない限りいじめはなくならない。加害者は、数日学校へ登校させない、反省文をかかせる、何なら加害者側を転校させる、等、加害者に事の重大さをわからせなければ次のターゲットを探すだけかと。
    いじめは犯罪!教師も加害者を守る意味がわからない!

      
  • 匿名 says:

    私は現在28歳です。中学2年生時にヤクザ紛いの女達にいじめられ学校行けなくなりました。瞼にセロテープベターっと貼られたのが最初で、その後放課後教室残され質問攻め、返事しないからと机を倒されベランダに椅子とともに投げ落とされ、男達に私が着てた制服や文房具ゴミ箱入れられました。
    体育のバスケの授業で適当に動き回ってたのを見たリーダー格の女がやはり私を放課後居残りさせ、「バスケのルール完璧に説明するまで帰さない。」と監禁。帰って母親に全部吐いたら「その女に電話かける!」とまっしぐらに電話かけた。
    女の祖母や父の口調、完全にヤクザな感じだったらしい。母親はおらず父子家庭だった。それでも私の母親は遠回しに説明し、未熟児でハンデがあるのを克明に言ったら、女は深く反省し謝罪したのだった。
    じゃなくても1年生の時からクラスメートにいじめられてたが、耐えられるレベルだったので。
    3年生になりクラス替えしてみんな私を大事にしてくれた担任とクラスメートになったが、2年生で休みすぎて学校1日過ごす体力なくなっちゃった…結局不登校となりそのまま卒業したのだった。

      
  • 匿名 says:

    私は学校で押されたり、たたかれたりしています。その子のご機嫌取りにもううんざりしています。ほおっておいたら無視してきたとか訳のわからないことを言い出すのでもう嫌です。
    実際に私の友達もご機嫌取りにはうんざりしていて、その友達は好きな子のことでおどされてこれやっといてね的なことを言われたことがあるそうです。
    しかもほおっておいたらホワイトボードに呪いと書いたりしてきます。
    先生はあまり頼りないので言ってもその子に呪いと書かれるので言えません。
    どおしたらいいでしょう?

      
  • 匿名 says:

    助けてください。苦しいです。ハブられたり、悪口を言われたりの繰り返しです。だけど親は絶対休ませてくれないです。親にこの記事を読んでもらいたいです。やっぱり不登校になることは悪いことなんでしょうか。。将来的にいけないんでしょうか。。

      
  • 匿名 says:

    休ませていいというけれども、休みが長期化すると出席日数が足りず留年とか、家庭に問題があるのではとか学校は親を責めるのだ。不登校で苦しむのは親も同じ。苦しいよ。

      
  • 匿名 says:

    このような場所に、安心して通えれば良いと思う。まずは心のケアからだ。いじめは社会に出ても実際あるしなくならないというが、そこの教育を建て直さなければならない。これからの時代は、いじめがあるのは当然などという古臭く頭の悪いことを言っていてはならないと、大人も家庭教育をしっかりさせたいものだ。

      
  • 匿名 says:

    私も小学生の頃いじめを受けていました。その記憶は大人になった今も忘れられず、思い出すと胸が苦しくなります。でも当時はなぜいじめられ仲間はずれにされているのか怖くて聞けず、親に心配をかけたくなくて話すこともできず、死んだら楽になるのかな、と思ったこともありました。考えの違う相手のいることだし、話し合ってもわかり合えない相手だっているし、解決は難しいことで、私もただ現実逃避をしたり、年に何度も仮病で休んだり、そうやって逃げてきました。だから、自分の子供がもしいじめにあったとき、どうしたら解決できるのか、正直とても不安です。
    でも自分のなかの救いは、学校を休んでも、親が無理にいかせようとはしなかったことかもしれません。
    勉強なんて家でもできる。学校なんていかなくても、人生は終わらないし、立派な人はたくさんいる。それがわかった今、もし子供が学校に行きたくないと言ったら、黙って休ませようと思います。子供が元気で生きているだけで、笑っているだけで、十分です。

      
  • 匿名 says:

    社会に出てからは、いじめる・いじめられるが無い組織には、ほとんど出会いません。物を壊す・怪我を負わせるなど、社会に出てから明確に犯罪者になるような状況でなければ、それは逆に学生生活の間に克服しなければならない、大事な人生経験だと思いいます。
    安易に逃避をすすめるのは、無責任だと思うのですが、大丈夫ですか?
    所詮、人生は弱肉強食。人と虫の違いを、厳密に論理的に説明できる人は、古今東西、未来永劫、存在しません。
    東京新聞社さんも、中日新聞社さんも、生きるという事が、どれだけ冷酷な事か、もっと真剣に受け止めて、表現に注意してください。
    心の底から思います。人の人生は、あなた達の飯の種ではありません。

      
  • 匿名 says:

    私は学校でいじめられています。でも、親が無理矢理学校に行かせるんです。辛い。行きたくない。苦しい。

      
  • 匿名 says:

    休ませるのは理解できる。では、ダラダラとそれが続くのはどうしら良いか。いわゆる甘えに対してどう対処したらよいか。その次に、どんなステップを踏めばよいか。休むことによる学習の遅れはどうしたらよいか。

      

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