埼玉県議会「留守番禁止」炎上から1年 こども・若者基本条例が可決 「社会で子育てを支える」方向性に
杉浦正至 (2024年10月8日付 東京新聞朝刊に一部加筆)
自民埼玉県議団は10月7日、埼玉県の子育て政策の基本理念を定める「埼玉県こども・若者基本条例」案を県議会9月定例会に提出した。7月に公表した骨子案を踏襲し、「社会全体で子育ち・子育てを支えていく」との方向性を打ち出した。全議員が賛成し、16日に可決した。
パブコメで子ども若者からも意見
条例案は、全ての子どもと若者の基本的人権を保障することを基本理念として明記。人種や国籍、性別、障害の有無などによる差別的な扱いをなくし、意見を表明する機会を確保することなどを掲げた。
子育ての責任を保護者に限定せず、自治体や学校、保育施設、事業者、民間支援団体、県民などの社会全体が「子育ち・子育てに主体的に取り組む」とした。
県議団は昨年の9月定例会に、子どもだけでのお使いや留守番を放置による虐待として禁じる虐待禁止条例改正案を提出。子育て世代などから「当事者の声が反映されず非現実的」「親への責任の押しつけだ」と批判を浴び、撤回した。
改正案策定過程の反省を踏まえ、今回の条例案は有識者や関係団体と意見交換を重ねてまとめた。7~8月に骨子案へのパブリックコメント(意見公募)を実施し、県民50人と子ども・若者12人から計151件の意見が寄せられたという。
自民県議団プロジェクトチームの藤井健志議員は提案説明で「社会全体で子育ち、子育てを支える重要性を広く呼びかける必要があると考え、その趣旨を盛り込んだ」と述べた。
コメント