子連れOK♪授乳もOK♪ 「日本一ゆるいママさんブラスバンド」町田で活躍中
松村裕子 (2019年10月29日付 東京新聞朝刊)
日本一ゆるいママさんブラスバンドを自称する東京都町田市の「みどりの森保育園ママさんブラス」は11月、活動10年目に入る。来る者は拒まず、去る者は追わず、子連れOKで練習の出欠、入退出は自由。会費もゼロだ。設立者で代表を務めるみどりの森保育園(能ケ谷)の園長、鈴木雅人さん(55)は「楽しく長く続けたい」と話す。
保育園の園長が「母親に活動の場を」結成10年
10月半ばの練習日、市内の公民館に集まったメンバーは4人。鈴木代表は本来サックス担当だが、演奏者不在のクラリネットやフルートにも持ち替え、「星に願いを」「学園天国」などを奏でた。「まずいところがある」「こんなもんでは」と意見を交わす横で、子どもたちが走り回っていた。
発足は、保育園が開園して半年後の2010年11月。「子育てで演奏から離れていた母親たちに活動の場を」と、全国的にも珍しい保育園主体のママさんバンドを作った。
バンドの存在は口コミで広がり、現在は子育て中の市内の母親を中心に、独身女性、年配の男性ら総勢約30人。レパートリーは徐々に増え、ミッキーマウスマーチやアニメ「となりのトトロ」のテーマなど約50曲。週1回ほど練習し、月1回ほど市内の保育園や幼稚園、高齢者施設、イベントで演奏を披露する。
送迎で退出、赤ちゃんおんぶ、何でも受け入れる
保育園の送迎で練習を途中で抜けたり、乳児をおんぶしたまま演奏するメンバーも。練習中に授乳する姿もある。発足直後から参加する市内の草薙美也子さん(42)は、園児から大学生まで3人の子育てとパート勤務をこなしながら練習に励む。「みんなで合奏するのが楽しい。いつ来ても受け入れてもらえるので続けやすい」と語る。
「規則が厳しく、妊娠したら続けられないというのではママさんブラスらしくない」と鈴木代表。楽譜の準備や練習会場の手配、おもちゃの用意や楽器の貸し出しまで一手に担う。負担はあるが「演奏仲間がいて、聞いてくれる人がいる」と自らも楽しんでいる。
一般向けには11月16日、午前に鶴川団地商店街、午後に町田シバヒロで演奏する。問い合わせはみどりの森保育園=電話042(708)8161=へ。