認可保育所「落ちた」36%…都内20区で2万341人 2016年の本紙緊急アンケート
ワーストは世田谷、江東、杉並の順
4年で募集人数も申込者も1.3倍…追いつかず
調査に回答しなかった渋谷、中野、足立の3区を除く20区の合計で、認可保育所の募集人数は3万5596人だった。これに対し、入所申込者は5万5937人で、入所できないのは2万341人と、昨年より2560人増加した。申込者の3人に1人が入所できない厳しい状況にある。
入れない人数が多い区は(1)世田谷(2)江東(3)杉並(4)大田(5)江戸川-の順だった。また、入れない子の割合が高い区は(1)台東(2)目黒(3)杉並(4)世田谷(5)墨田-の順。入れない子の人数が昨年より減ったのは、世田谷、品川、目黒、豊島、葛飾、板橋の6区で、残る14区は昨年より増えた。
本紙が調査を始めた2013年から4年間の推移をみると、募集人数は13年度の1.3倍に拡大したが、申込者も1.3倍に増え、入所できない子の減少につながっていない。
入れない子の割合が最高の60%だった台東は、今年4月までの1年間で、認可保育所を3カ所新設するなどして募集枠を164人拡大したが、申込者の増加に追いつかなかった。上野など都市部ではビルの賃料が高く、担当者は「保育所に適した物件が見つかりづらい」と説明する。
1、2歳児の需要高 全20区で申込が募集枠オーバー
年齢別の保育所需要の差も浮き彫りとなった。5歳児は全20区ですべての申込者が入所できたのに対し、1、2歳児は全20区で申込者数が募集枠を上回り、入れない子が相次いだ。1、2歳児は幼稚園という別の選択肢がないため保育所の需要が高く、受け入れを拡充するには5歳児に比べてより大勢の保育士が必要となる。
葛飾区の場合、全年齢の合計では募集人数より申込者が少なかったため、全員が入所できるようにみえるが、実際には1歳児で326人、2歳児で75人が入れず、逆にゼロ歳児と3~5歳児では定員に余裕があった。
調査の方法
認可保育所(保育所型認定こども園含む)の4月入所募集の第1次選考状況について、23区にアンケートと聞き取りをした。国の統計では、認可外保育施設や小規模保育所に入れれば待機児童に含めないため、本紙の調査とは異なる。定員に空きがあっても、子の年齢と不一致のケースがあり、実際に入れない子の数は本紙調査より多い場合がある。回答しなかった渋谷と中野は「公表していない」、足立は「認可保育所だけで集計してない」などと説明した。