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保育園の「おむつ持ち帰り」なくします! ネットで異議広がり、予算つける区も

, , , (2018年4月2日付 東京新聞朝刊)
 保育所で子どもが使用した紙おむつは、保護者が持ち帰る-。こんなルールを見直す自治体が首都圏で増えている。保育所での処理費用などを新年度予算案に盛り込むケースが続々。昨年以降、インターネット上で「汚物を持ち帰るのは衛生面が心配」などと母親らから“異議申し立て”が起きていたが、保護者負担を減らす動きが広がっている。
写真はトイレに置かれたごみ箱に使用済みおむつを捨てる保育士=2018年2月、東京都品川区立大井保育園で(由木直子撮影)

トイレに置かれたごみ箱に使用済みおむつを捨てる保育士=2月、東京都品川区立大井保育園で(由木直子撮影)

健康状態を確認?「開く人はまずいない」

 「保育の質を上げ、衛生面を向上させる」。東京都豊島区の高野之夫(ゆきお)区長は2月、予算案発表会見で胸を張った。「保護者が紙おむつを持って帰ると、買い物したり人に会ったりしにくい。これからは園できちんと処理する」

 同区では4月から、区内に103ある全ての認可保育施設で紙おむつの処理を業者に委託する。予算は1293万円だ。

 これまでは区立は全て、私立は過半数がおむつを持ち帰ってもらっていた。家庭で便を確認し、健康状態を知ってもらうためと説明していたが、今回は「わざわざ開いてチェックする人はまずいない」(保育政策担当課長)と実効性を否定。便の異常は口頭や連絡帳で保護者に伝える。

 文京区も4月から公設公営の認可保育所で持ち帰りをやめ、業者が廃棄することに。同区認可保育園父母の会連絡会の小林奈央会長(39)は「保育士がおむつを仕分けする負担も減る。意見を長年、伝え続けてきた成果だ」と歓迎した。

持ち帰りは「布の時代の名残」との指摘

 紙おむつの持ち帰りは、かつての布の時代の名残との指摘もある。家庭で洗って何度も使うため、持ち帰りが当たり前だった。ただ布が主流だった時代から、保育所側が洗濯などの処理をしていたという東京都品川区のケースもある。

 一方、区立の全認可保育所で持ち帰りを続ける大田区の担当者は「持ち込んだものは持ち帰るのが原則」としつつ、「今後はニーズを確認するべきかもしれない」と話している。

使用済み紙おむつを巡る対応のCG

きっかけはフランス発ツイッター 衛生面でも否定論

 使用済みおむつを持ち帰るルールへの「異議申し立て」は、持ち帰りに疑問を抱いたフランス在住のライター高崎順子さん(43)が昨年夏、ツイッターに投稿したのがきっかけの一つ。インターネット上で保護者らが実態や意見を書き込み、本紙などが報道した。

 高崎さんが2月12日までの3日間にツイッターで日本の保護者に行ったアンケートでは、回答した1067人のうち49%がおむつを持ち帰っていた。日仏の保育事情に詳しい高崎さんは「日本の保育現場は多層的な問題があるが、おむつ処理のようにすぐに改善できる点もある」と話す。

 国の感染症対策ガイドラインでは、おむつの交換場所や保管方法は記されているものの、処分方法の記載はなく、自治体や施設の判断に任されている。

 国立国際医療研究センター感染症対策専門職の堀成美さん(49)は「衛生管理の基本は汚物をすぐ捨てること。感染リスクを増やすので、持ち帰りは見直すべきだ」と指摘している。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2018年4月2日]