育休中の転職で、娘が保育園を退園させられた 「次の職場は決まっていたのに」 調べてみると23区で対応バラバラ
新宿、台東、大田、杉並区は「原則退園」
情報を寄せた新宿区在住の準公務員の男性は、妻(34)と2歳10カ月の長女、9カ月の長男の4人家族。男性によると、妻はコロナ禍で経営が悪化した会社から「早めに産休を取ってほしい」などと迫られ、育休中に転職を決めました。
育児・介護休業法では就業していることが前提で、退職した時点で対象外となります。それを受けて、新宿区では「保育の必要性がなくなった」と認定し、原則退園としています。台東、大田、杉並の3区も原則退園です。
江東、中野、港区は退職の形態によって異なります。会社都合の退職の場合、「3カ月以内」の就業で在園できますが、自己都合なら原則退園です。
一定期間内に就業なら「在園OK」が大半
一方、大半の区では退職から一定の期間内に就業すれば在園を認めています。本年度はコロナ禍で期間を延長した区もありました。通常では品川、目黒、渋谷の3区が「2カ月以内」。千代田、中央、墨田、世田谷、北、荒川、板橋、練馬、足立、葛飾、江戸川の11区は「3カ月以内」の就業が条件です。他に、豊島区は個別相談で対応しています。
最も手厚い対応を取る文京区では、下の子が満2歳までに就業すれば在園できます。区の担当者は「子どもの環境が激変しないようにするため」と話します。
「細かいところでケチケチしても効果薄」
子ども・子育て支援法施行規則では、保護者が求職活動をしている場合も「保育の必要性」を認めるとしています。「保育園を考える親の会」の普光院亜紀代表は「会社をやめて無職になっても『求職中』か『就労内定中』なら、保育の必要性を認め、在園を認めるべきだと思います」と主張。「保育の必要性を狭くとらえようとする自治体もありますが、子育て支援、少子化対策という視点から考えると、そういう細かいところでケチケチしてもよい効果はない」と訴えています。
[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年3月23日]
【2021年12月20日追記】本文中、「退職の形態によって異なる」としている自治体を江東、中野区としていましたが、港区を追加。港区について「下の子が1歳6カ月に達する年度末までに就業することが条件」としていた説明を削除しました。
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