足立区の私立認可保育所で保育士ほぼ全員が一斉退職 「業務過多」「園長と不和」 園児53人が転園
三宅千智 (2022年4月21日付 東京新聞朝刊)
東京都足立区西新井栄町の私立認可保育所「いづみ保育園」で、3月末までに保育士ほぼ全員が退職し、今月から園児の受け入れを停止していることがわかった。区による保育士への聞き取りでは「業務過多」「園長との不和」などが退職の理由という。足立区は保育の継続を希望した家庭の園児53人全員を、区内の別の保育所や幼稚園に転園させた。
離職の補充なく、保育士の負担が増え…
足立区などによると、園はゼロ~5歳児を預かり定員70人。保育士の離職に伴う補充がなく、残った保育士の負担が増えていた。常勤・非常勤の保育士計19人のうち、育休中の2人を除く17人が3月末までに退職。11人が昨年8月に退職を申し出た際、園を運営する社会福祉法人が区に報告。同10月、保護者にも状況を説明した。
足立区による法人への聞き取りでは、園はゼロ~2歳児のみに規模を縮小し、10月の再開を目指しているという。飯泉学・園長は取材に「保育士の仕事量が増えていたのは事実。コロナ禍で新規の採用のめどが立たなかった。園児や保護者には申し訳ない」と話した。