〈保育園給食の人気レシピ〉ドライカレー 暑い夏でも食が進む! 野菜は蒸し煮でおいしく、食べやすく

 暑い夏がやってきました。夏になると子どもの食欲が落ちる、と困っている親御さんもいるのではないでしょうか。今月は、そんな子でもぐんぐん食べられる「ドライカレー」を紹介します。野菜を蒸し煮することで、小さい子でもかみやすくなり、自然な甘みも出て優しい味になります。使う野菜も味付けもアレンジしやすいレシピなので、いろいろ試してお気に入りの味を見つけてくださいね。卵・乳・小麦アレルギーのあるお子さんも一緒に食べられるメニューです。

※紹介するのは、保育園で<1~2歳の子ども10人分>として作っている分量です。目安としては、<大人2人+よく食べる小学生くらいの子ども2人>が満足できるくらいの量です。家庭でも作りやすい分量ですが、ご家族の人数や食欲に合わせて、半量や1.5倍量にして作ってみてください。

材料(子ども10人分)

  • 豚ひき肉(赤身) 300g
  • 玉ねぎ 300g(中2個)
  • 人参 70g(1/2本)
  • ピーマン 50g(2個)
  • しょうが 1g(小さじ1/5)
  • にんにく 1g(小さじ1/5)
  • サラダ油 20g(大さじ2弱)
  • カレー粉 2g(小さじ1)
  • コンソメ 7g(小さじ2弱)
  • ソース    20g(大さじ1)
  • トマトピューレ    20g(大さじ1強)
  • レーズン 20g(大さじ2弱)

※かっこ内はだいたいの目安です。

作り方

1. 人参、玉ねぎ、ピーマンは5mm~1cm角くらいになるように切る。

2. レーズンはぬるま湯で軽く洗っておく。

3. 鍋に少量の水(100~200ml)、人参、玉ねぎを入れて中火にかけ、ぴっちりふたをして蒸し煮する。

4. フライパンに油を熱し、にんにく、しょうがを炒めて香りを出し、ひき肉を炒める。

5. (3)の鍋が沸騰してきたら、ピーマンとレーズンを加え、野菜に串がスッと通る硬さになるまでさらに蒸し煮する。

6. (4)のひき肉から出た油分や水分を捨てる。

7. (6)にカレー粉、コンソメ、トマトピューレ、ソースも加えて炒める。

8. (5)の鍋の野菜が煮えたら(7)に加えて煮る。水分があれば煮詰める。

9. 皿にご飯をよそい、ドライカレーをかけて完成。

子どもが食べやすいポイント

ーひき肉がのみ込みにくいようなのですが…

 ひき肉がのみ込みにくいお子さんには、片栗粉や米粉を水で溶いて加えとろみをつけてあげましょう。【作り方(8)】の段階で、片栗粉もしくは米粉(大さじ1)を水(大さじ2)で溶いたものを、加減しながら加えてください。(6)でひき肉を炒めた時に出る油分・水分を捨てることで、冷めても油分が白く固まることも少なく、よりヘルシーに食べられます。

ー野菜を炒めずに蒸し煮をするのはなぜですか?

 砂糖を入れなくても、蒸し煮をすることで野菜やレーズンの甘みが出て優しい味になります。蒸す際に鍋に入れる水の量は、火力にもよりますが、普通の鍋なら100~200mlで十分でしょう。園では、ふたを閉めると密閉状態になるステンレスの多層鍋を使っているため100mlあればOKです。

 野菜を炒めたりゆでたりせずに、蒸すのには理由があります。

 園では幼児食と離乳食を一緒に作るため、材料が軟らかくなったところで、味を付ける前に離乳食用に野菜を取り分けます。ゆでても軟らかくはなりますが、野菜のおいしさがゆで汁に逃げてしまいます。甘さとおいしさを余すところなく野菜に閉じ込めたいという思いで、極力少ない水分で調理しています。

 また、炒めると野菜の水分は蒸発し、油が加わります。蒸すと水分の変化は少なく、軟らかく仕上がります。私たちの園で蒸し煮をすることが多いのは、まだかむ力の未発達な0~2歳の子を対象としているからです。小さい子どもたちが、今ある機能をうまく使って、上手にかんでのみ込むためにはどうしたらいいか、を一番大事にしています。

 ですから、よくかんで食べられる年齢のお子さんの場合は、野菜を炒めてから煮込んでも構いません。軟らかいものばかりを食べていると、かむ力が育ちませんし、炒めることで脂溶性のビタミンの吸収が上がるメリットもあります。

ーピーマンやレーズンが苦手な子はどうしたらいいですか?

 このドライカレーは先生方が介助しなくても、ほとんどの子が自らぱくぱく食べますが、苦手な場合は「ピーマンだけをまず甘くする作戦」にトライしてみてください。フライパンに油4g(小さじ1)を入れ、ピーマンを軽く炒め、そこに砂糖5g(大さじ1/2)を加えて混ぜ合わせてふたをし、軟らかく、ほんのり甘くなるように調理します。これでピーマンを残さなくなった子もいます。

 レーズンと野菜のどちらにも味がよく染み込むように、レーズンをぬるま湯に浸してオイルコーティングを外します。レーズンを初めて出したときに食べなかったとしても、出し続けていると、「なめてみようかな」から始まり、食べられるようになるときがくるかもしれません。

アレンジのヒント

 赤身のひき肉を使うのは、成長に必要な鉄分と亜鉛が一般的なひき肉よりも多く入っているためです。子どもたちに鉄分を少しでも多く摂取してほしいので、園では赤身肉をよく使用しています。もちろん、普通の豚ひき肉でも、鶏ひき肉や牛ひき肉でもおいしく作れます。

 変化を付けたいときは、ひき肉の代わりにサバ缶やイワシ缶を使ってもいいでしょう。しょうがをたっぷり加え、玉ねぎの代わりに長ネギを使い、なすもたっぷり入れるのがおすすめです。

 野菜は、煮込み用トマトのほか、ズッキーニ、なす、枝豆など、これからどんどん育ってくる夏野菜も合います。野菜が苦手なお子さんの中には、皮がハードルになってしまっている子がかなりいます。例えば、なすはかみ切りにくい皮をむいてから入れたり、トマトも口の中に残りやすい皮を湯むきしてあげたりすると、のみ込みやすくなって難なく食べられます。

 今回はトマトピューレを使っていますが、ケチャップやカットトマト、もしくはトマトそのものでも代用可能です。お好みで分量や味を調整してくださいね。

 カレー粉の量を増やしたり、赤トウガラシを入れたりすると、大人向けのアレンジになります。反対にもっと甘くしたいときは、砂糖、ケチャップ、ドライフルーツなどを加えてみてください。

管理栄養士・中村えみ子さん

 1969年生まれ。川崎市にある「みんなのほいくえん at むさしこすぎ」の管理栄養士。大学病院などで栄養士として勤務後、子育てを経て、保育園の管理栄養士として復職。素材のよさを最大限に生かしたいと、同僚栄養士が驚くほど丁寧な下ごしらえを心がけている。アレルギーに配慮した給食に力を入れるのは、「みんなで同じものを食べれば、子どももうれしいし、保育士・調理師・栄養士の負担も減るし、食べ間違いのリスクも減らせるから」。