〈保育園給食の人気レシピ〉ささみのコーンフライ サクサク感がやみつき!でもヘルシー
材料(子ども10人分)
- ささみ 300g(4~5本)
- 塩 1g(小さじ1/5)
- 米粉 30g(大さじ3強)
- 水 30g(大さじ2)
- コーンフレーク 60g(およそ1.5カップ)
- サラダ油 30g(大さじ2と1/2)
- ケチャップ 20g(大さじ1強)
※かっこ内は目安です
作り方
1. ささみは筋を取ってポリ袋に入れる。
2. オーブンを予熱し200℃に温める。
3. コーンフレークはポリ袋に入れ、麺棒を転がして小さめに砕く(衣にするコーンフレークは小さい方がはがれにくい)。
4. ポリ袋に米粉と水を1:1~1:3の割合になるように加減しながら入れる(米粉の種類により、水分の吸収量が異なる)。なじませて、ほどよく肉に貼り付く硬さにする。
5. (1)のささみに塩を加え、もみ込んで下味をつけてから(4)のポリ袋に入れ、水で溶いた米粉をまんべんなく肉にまとわせる。
6. (3)で砕いたコーンフレークにサラダ油を加えてよく混ぜた中に、(5)のささみを入れて衣をまんべんなく付け、しっかり押さえて天板に並べる。
7. オーブンに入れて10分ほど焼く。
8. 食べやすい大きさにカットして盛り付け、ケチャップを添える。
子どもが食べやすいポイント
唐揚げでなじみがある鶏肉だからか、やわらかい肉質でかみ切りやすいからか、とにかく子どもはよく食べます。唐揚げだと数回かんだだけですぐのみ込んでしまう子も、このささみのコーンフライはもぐもぐとよくかんでいます。コーンフレークが硬めで、ささみの繊維がもも肉よりは少し多いからでしょう。よくかむ練習になるだけでなく、サクサク・カリカリという音や食感も楽しめるメニューです。
(コーンフレークは、小麦粉が含まれているものも多いので、小麦アレルギーがある場合は成分表示を確認して小麦の入っていないものを選んでください。園ではケロッグのコーンフレークを使用しています)
園では卵と小麦粉を使用していないのでフライ類は提供しにくいのですが、何かカリカリした食感を取り入れたいと考えて作ったメニューです。衣をつけて揚げると油をたくさん吸ってしまいます。なるべく油も控えめにするために、油をまぶしたコーンフレークを付けて焼くだけにしています。オーブンで焼くと油が飛び散らず、焼いている間に片付けもできるのがうれしいですね。
―ささみの筋を上手にとる方法はありますか?
「ささみの半分を過ぎたあたりで切れてしまう」という方も多いのではないでしょうか。何を隠そう、私もそうなんです。細かいことを気にしない性格なので、家庭では「まあよし!」としていますが、きれいに取れる方法をお伝えしますね。
包丁、または小さめのフォークを使います。
◇包丁の場合(右利きの場合)
1. ささみの筋を左手でつまみ、筋のある方を下にしてまな板に置きます。滑りやすい時はペーパータオルで筋を挟み、まな板から外れないようしっかり押さえます。
2. 筋の上に包丁をあて、筋を左に引いて筋を取ります。この時、包丁をまな板から浮かせないようにすると、食べられる肉まで取らずに済みます。
◇フォークの場合
1. 包丁の場合と同様、ささみの筋を左手でつまみ、まな板から外れないようしっかり押さえます(滑りやすい時は同じくペーパータオルを使います)。
2. フォークの先端の間に筋を挟み、フォークを右に動かしていき、筋を取ります。
フォークを使用する方がより長く筋が取れますが、内側の筋も取るため身が割れがちです。身が割れるのを避けたい場合は、大きな筋だけを短めに取り、細かい筋には少々を目をつむりましょう。
―小麦粉ではなく米粉を使う理由は?
まず、小麦粉アレルギーの子でも食べられます。米粉はサラサラとしていて水と混ざりやすいのでダマになることがなく、混ぜすぎてグルテンが形成されることもないため、均一に肉にまとわせることができます。
また、米粉は小麦粉と比べると油の吸収率が低いため、揚げ物に使うとヘルシーな仕上がりになり、摂取カロリーを抑えられます。余分な油を吸わない米粉は、調理してから時間がたってもあまりベタつきません。
―米粉と水を合わせるときのコツや加減は?
米粉の種類により、水分の吸収量が違うので加減が必要です。今回の〈作り方〉では、洗い物を減らすためにポリ袋で混ぜ合わせていますが、不安な方はボウルを使って混ぜてください。
まず、ボウルに米粉と同量の水を入れ、箸やスプーンでよく混ぜます。その後、素早くかき回せる硬さになるまで、少しずつ水を足してください。水分が多すぎるとコーンフレークがつきにくくなります。スプーンに載せて傾けるとゆっくり流れるくらいの硬さが目安です。
帰宅後にさっと作れるよう、下ごしらえを朝のうちにしておきたい場合は、米粉を水で溶いたものをささみにつけて冷蔵しておき、焼く直前にコーンフレークに油を加えたものをまぶすようにします。コーンフレークを付けて時間を置きすぎると、サクサク感が若干失われてしまいます。
―コーンフレークの大きさの目安は?
園ではコーンフレークとは分からないくらい小さく砕いています。よくかめる年齢なら大きめにしてもいいですし、砕かなくても構いません。砕かない場合は、コーンフレークと油が少し多めに必要です。ダイエット中の方は、しっかり砕いたほうが使用量が少なくなるのでおすすめです。
―出来上がりのフライを切る大きさは?
園では1~1.5cm幅くらいの削ぎ切り(斜め薄切り)にし、繊維を断ち切ってかみ切りやすくしています。前歯で一口量をかみちぎるのが難しい子には、もう少し小さくして出しましょう。
アレンジのヒント
ささみの代わりに、手羽先やタラなどの白身の魚を同じようにオーブンで焼いてもおいしいです。ささみは火が入りやすいので10分ほどで焼けますが、皮や厚みがある場合は15~20分と長めに焼くなど、様子を見ながら調整します。
米粉を水で溶いたものに、大葉や粉チーズなどをお好みで加えても風味が増します。
ケチャップの代わりに、ソースやチリソース、タルタルソース、七味などを添えてもOKです。あっさりしている鶏肉は相性の良い味付けの幅が広いので、ぜひお気に入りの味付けを探してみてください。
管理栄養士・中村えみ子さん
1969年生まれ。川崎市にある「みんなのほいくえん at むさしこすぎ」の管理栄養士。大学病院などで栄養士として勤務後、子育てを経て、保育園の管理栄養士として復職。素材のよさを最大限に生かしたいと、同僚栄養士が驚くほど丁寧な下ごしらえを心がけている。アレルギーに配慮した給食に力を入れるのは、「みんなで同じものを食べれば、子どももうれしいし、保育士・調理師・栄養士の負担も減るし、食べ間違いのリスクも減らせるから」。
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