幼児用ペダルなし二輪車 実は事故多発、4歳児が死亡 「3つの原則」守ろう
「崖から転落して重傷」「坂道ではねられ死亡」
今月10日には、新潟県関川村湯沢の駐車場近くの村道で、ペダルのない二輪車に乗っていた4歳男児が崖から20メートル下に転落し、大けがを負った。助けようとした男性(54)も転落し、頭の骨を折るなどして死亡した。新潟県警村上署によると、村道から崖までの間は緩やかな下り坂だったという。
昨年9月には、岡山県倉敷市の市道で、4歳男児がペダルのない二輪車で緩い下り坂を走行中、車にはねられて死亡した。
消費者庁の集計は病院24カ所の情報だけ
消費者庁によると、ペダルのない二輪車は2~6歳が対象で、「ランニングバイク」「トレーニングバイク」とも呼ばれる。自転車に乗る前にバランス感覚を養うための遊具で、ブレーキが付いていないものが主流。メーカーによると、幼児の多くは一定の握力が備わっていないため、ブレーキを付けても操作は難しいという。
〈関連記事〉自転車の乗り方、子どもに教えるときのポイント 大切なのは「止まる練習」
消費者庁は2011~18年度、計106件の打撲や骨折などをした事故を確認。半数以上の54件が坂道で発生していた。発生場所別では、道路が50件(47.2%)、公園・遊園地が24件(22.6%)など。ただ、全国24の病院(6月時点)から得た情報に限られており、実際の事故はもっと多いとみられている。倉敷市の4歳男児の死亡事故は、消費者庁の事故情報には入っていない。
公道禁止・ヘルメット着用・保護者同伴
道路交通法は、自転車を「ペダルを用い、かつ人の力により運転する二輪以上の車」と定義している。ペダルのない二輪車は、交通事故統計では「歩行者」として扱われる。警察庁によると、歩行者事故の分類で、車いすやベビーカー、ローラースケートなどは個別の統計件数があるが、ペダルのない二輪車は「その他」に含まれ、個別の統計は取っていないという。
人気商品「ストライダー」の正規代理店で、全国に900カ所以上の販売店を持つ「Ampus」(東京)は「公道禁止」「ヘルメットをつける」「保護者同伴で遊んで」という3つの原則を掲げ、事故への注意を呼びかけている。
ペダルの着脱が可能なブレーキ付きの幼児向け二輪車を販売している「ビタミンアイファクトリー」(東京)の渡辺未来雄社長も「子どもの事故が起きてからでは遅い。絶対にルールを守ってほしい」と訴える。
コメント