帰省先での子どもの事故に注意! やけど、誤飲…いつもと違う環境に潜む危険 予防のポイントは?
【誤飲】3歳児が口を大きく開けると40ミリ
「家庭内での子どもの事故は予防できる。大人が目を離しても安心安全な環境をつくることが大事」と、あいち小児保健医療総合センター(愛知県大府市)の保健師落合可奈子さん(27)は言う。帰省を受け入れる側は、事前に普段の子どもの様子を聞いて対策を講じておくことが不可欠だ。
何でも口に入れてしまいがちな3歳くらいまでの子どもは、誤飲防止に万全を期したい。3歳児が大きく口を開けた時の直径は約40ミリ。大人が手の親指と人さし指で輪をつくった時の大きさを想像するといい。これより小さい硬貨や電池、安全ピン、薬、たばこなどは子どもの手が届かない場所にしまう。
【やけど】テーブルクロスやコードも原因に
冬場はやけどにも注意が必要。ストーブやファンヒーターは柵で囲む。テーブルクロスは片付けた方がいい。子どもが遊び半分で引っ張って、上にある電気ポットやケトルが倒れると、中の熱湯をかぶってしまう危険があるからだ。引っ掛かったり触ったりできないよう、ケトルなどのコードの置き場所も工夫したい。
【転落】マンション住まいの子は階段が鬼門
マンションなどに住んでいる子どもにとって危ないのが一戸建ての階段。上り下りができないよう、2本の突っ張り棒を壁と壁の間に渡し、それを布で巻けば簡易ガードの完成だ。ソファは背もたれによじ登って後ろに落ちることがあるため、壁に寄せておきたい。
あいち小児保健医療総合センターでは、こうした対策を展示する「こども事故予防ハウス」を設置。落合さんは「年末年始は保護者も気が緩みがち。ちょっと目配り、気配りをすることが重い事故を防ぐことにつながる」と話す。
東京都がガイド作製 多いのは…①転落②やけど③転倒
東京都は今夏、帰省先など自宅以外の住まいでの子どもの事故防止ガイドを作った。1月に行った調査結果に基づき、実際の事例と安全対策のポイントをイラストで紹介。A4判4ページで、都のホームページからダウンロードできる。
調査は就学前の子どもを持つ首都圏の保護者3000人を対象に実施。自宅以外の住まいで子どもがけがをしたり、しそうになったりしたことがないかを聞いたところ、「経験がある」と答えた人が全体の半数余りに上り、3904件の事例が寄せられた。
階段やベッドなどでの「転落」が最多で881件。マンション住まいの2歳児が保護者の実家で、目を離した隙に1人で階段を上って数段下に落ちたり、普段は床に敷いた布団で寝ている1歳児がベッドから落ちたりした。
続く「やけど」は711件で、石油ファンヒーターの吹き出し口を触るなど暖房機器による事故が目立つ。浴室で滑るなどの「転倒」が524件、テーブルの角に頭などを「ぶつけた」が360件、ドアや窓に手を「はさんだ」が336件で続いた。けがなどをした子の年齢別では1歳が最多の1204件。年齢が上がるにつれて減り、6歳は98件だった。