〈えほん〉「花のすきなおおかみ」文・きむらゆういち 絵・葉祥明
長壁綾子 (2020年5月29日付 東京新聞朝刊)
「おおかみのくせに」と言われても、ウルは地面に根を張り、精いっぱい、笑顔で咲いている花を愛していた。ある日、ウルは花が好きな男の子のおおかみ・ルーフと出会い、ともに花のお世話をする。
そんな2匹に、イジメッコたちは石を投げたりするようになった。「相手にするな」と笑っていたルーフだったけど、あの日は様子が違っていて-。
「春になったら、あの丘の上にきてごらん」。ルーフの言葉を思い出したウルがそこで見た景色とは…。愛にあふれるものがたり。
1650円。新日本出版社=電話03(3423)8402。