子どもの作品の収納に困ったら「3D保存」 2児の父がアプリ開発中 立体的に、無限に残せる

回転台とスマホスタンドがあると360度の撮影もスムーズにできる

 どんどんたまる子どもの絵や工作、取っておきたいけど場所がない。そんな悩みを解決しようと、「こどもの工作を立体的に、無限に収納するウェブアプリ」を開発中の「SHOWCASE」(東京都町田市)が、ステイホームの冬休みを楽しんでもらおうと、ウェブ上で工作コンテストを開催しています。SHOWCASE代表の貝塚高士さん(37)は2児の父。アプリ開発では、同じ悩みを抱える親たちの声をヒントにしているということです。

Webで工作コンテスト開催中 1/17締切

 コンテスト「こどもミュージアム2020」は、スマホから応募できます。

 「投稿する」をクリックし、写真を選んで簡単に応募できます。作品を立体的に見せたい場合は、作品を360度回転させて撮った動画を送ることもできます。作品を回転させるには、100円ショップでも手に入るスマホスタンドと回転台が便利です。「0~3歳」「4~7歳」「8~12歳」「親子」の4部門で、2021年1月17日締め切りです。

工作の保管場所がない みんな悩んでた

 貝塚さんは、現在小学2年の長女(7つ)が1歳の時、「子育て主夫」に。早朝から深夜まで仕事ばかりで子どもと向き合えない生活に嫌気が差し、会社を辞めて自宅でデザインの仕事などをする生活に切り替えたのです。

「外に出かけづらい子どもたちに少しでも楽しい体験をしてもらいたい」とウェブ上の工作コンテストを企画した貝塚高士さん

 長女が成長するにつれ、保育園から持ち帰ってくる絵や工作の保管場所に悩むようになりました。作品の詰まった段ボールは6箱に。長男(1つ)が大きくなったらどうなってしまうのか…。パパ友やママ友、その知り合いなど50人に聞き取ったところ、半数が同じ悩みを抱えていました。「取っておいても壊れてしまう」「写真に撮ったはいいがデータ整理が手間」「いつの作品か、何を作ったのかが分からなくなってしまった」

広がる構想 ARで子どもが一緒に

 「解決するにはデジタル化しかない」と、今年6月に起業。町田市内のコワーキングスペースで出会ったエンジニアらと共に、アプリ開発に取り組んでいます。興味を持ってくれた知り合いに試してもらって、フィードバックをもらい、改善を重ねています。作品を回転台に載せて回しながら撮影するアイデアは、通販サイトで商品が360度見られる仕組みを見て思いつきました。「最初はスマホを持った撮影者が作品の周りを回ってみましたが、手ぶれするし、背景が動くので見ていて目が回ってしまった。ならば、作品本体を回せばいいんだ、と」

スマホスタンドと回転台。回転台の側面にしるしを付けておくと、1回転したかどうか分かりやすい

 完成品だけでなく、製作中の動画や製作意図などのコメントも入れられるようにし、保管します。家族など限られた人たちの間で見ることができる仕組みです。アプリの名前は「SHOWCASE」で、2021年1月にベータ版を、6月には正式版をリリース予定です。

 さらにその先の展開も考えている貝塚さん。「子どもの作品を3Dで取り込んで現実世界に投影するAR(拡張現実)なら、子どもと同じ大きさになった作品と子どもが並んで記念撮影したり、作品が空を飛んだりすることが可能」「入学式や七五三などライフイベントの子どもの姿を360度、3Dで残しておけば、結婚披露宴で本人の隣に幼い頃の本人を立たせることもできますよ」と目を輝かせます。