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夏休みのラスボス「自由研究」 子どものやる気を引き出すために、親が気をつけること

(2017年8月25日付 東京新聞朝刊)

 多くの地域で夏休みもあとわずか。残っている宿題を考えると、胃が痛くなってくるころだ。最後の難敵(ラスボス)でもある自由研究で「うちの子、まだ何もやってない…」という両親は、さぞ焦りを募らせていることだろう。そこで、短期間で子どもの意欲を引き出し、充実した自由研究をするこつを各分野のプロに聞いた。

“やらされ感”を与えずに「○○が好きだよね」

 まずはどうすれば、やる気を引き出せるのか。玉川大脳科学研究所(東京都町田市)の松元健二教授(51)は「自分で選んだという感覚があると、つまずいても何が問題だったのかを考え、次につなげることができるものです」と言う。

 松元教授の研究グループは、ストップウオッチをちょうど5秒で止めるゲームの実験に取り組んだ。使うストップウオッチを自分で選んだときと、決められたものを使うときで比べると、自ら選んだ方が成績が良かった。さらに、嫌なことがあると活動が低下する脳の部分を磁気共鳴画像装置(MRI)で測定すると、自分で道具を選んだときは、ゲームで失敗しても脳の活動に変化はなかった。

 つまり、自由研究のテーマも、親は「○○が好きだよね」などと声を掛けてヒントを示すにとどめ、子ども自らに決定権を持たせることが肝心だ。「時間がないときに指示されると『やらされ感』が強まりやすい。あまりプレッシャーを与えないようにしてください」と松元教授はアドバイスする。

テーマ選びは「疑問」から 親の役割は”感動”

 では、限られた時間でテーマを見つけるにはどうしたらよいだろうか。「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹さん(70)によると、キーワードは「疑問」だ。

 ダンゴムシはなぜ丸くなるのか。氷はどうして手にくっつくのか…。自由研究と考えると何をしたらよいか分からなくなるが、普段の生活の中で子どもは実にたくさんの疑問を感じている。「子どもに『あんた、どうしてかなあと思うこと、ないの?』と聞く。1時間もあれば、すぐ決まりますよ」。自分で感じた疑問について探究する面白さを感じることが、最も大切だという。

 そして、親の一番の役割は手伝うことではなく、わが子の姿に「感動」することだと説く。「よく疑問を持ったねえ、よくやってるねえと感嘆の声を上げ、ママも知りたいわ、と応援すればいいんです」

所要日数は? 短時間でできるのは実験・工作

 それでもテーマが決まらないときは、インターネットや書籍を参考にする手もある。学研が運営するサイト「学研キッズネット」は実験、調べ学習、観察、工作の4つのジャンルで計500のアイデアを目安の所要日数付きで紹介する。編集長の梅崎洋さん(44)は「夏休みだからこそ、手間は掛かっても普段はできない研究をしてほしい」と前置きした上で、「ジャンルから言えば、実験と工作は短時間でやれるものが多い」と話す。

 実験は、例えば身の回りのものを水に浮かべて浮力の違いを調べるなど、すぐにできるテーマがたくさんある。工作も材料さえそろえれば、基本的にはそう時間はかからない。

 一方、観察は時間がかかりがち。植物や昆虫の観察では、天候や時間帯など条件を変えた方がよいこともあるし、相手が生き物なので狙い通りに進むとは限らない。

 いずれのテーマも気を付けたいのは、まねで終わらせないこと。梅崎さんは「何かを参考にしたとしても、自分だけの視点が入り、本やネットに出ていない領域に行けば、それは立派な研究」と、エールを送る。