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夏休みの難敵、読書感想文 親子で攻略するための4カ条

(2016年8月12日付 東京新聞朝刊)
 「何を書いていいか分からない」と、泣きべそをかいている子はいませんか? 夏休みの宿題の定番、読書感想文は、特に小学校低学年の子にとっては荷が重い。専門家は「子どもの考えをうまく引き出してあげて」と、親の支援の重要性を説く。

まずは、好きなジャンルから選ぶ

 「低学年は本を読む力や、自分の気持ちを言葉で表現する力が未熟。でも親のちょっとした手伝いで、力を養えます」

 静岡市葵区の元中学校長村上淳子さん(78)はこう話す。元国語教諭の村上さんには「親子でとりくむ読書感想文」(国土社)などの著書がある。

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「子どもの考えを引き出す親のかかわりが大切」と話す村上淳子さん=静岡市で

 まず大事なのは本選び。「子どもが興味関心のある本を選ぶと良い」という。例えば、動物が好きな子なら動物が出てくる本に感情を移入しやすく、体を動かすのが得意ならスポーツ関係の事柄を扱った本に熱中しやすい。「どんな本を選んでもいいわけではありません」

 興味関心がないと、せっかく時間をかけて本を読んでも心が動かされずに書くことが無く、苦しむことになる。ただ、本を読み慣れた高学年の子なら、日常生活とは全くかけ離れた世界を描いた本は、考える力や想像力を養うこともできる。

一緒に感想を話し、問いかけてメモ

 本選びの後は読書。読んだ後で子どもに感想を聞くと、「面白かった」「かわいそうだった」と単純な言葉しか出ない場合が多い。その状態で「書きなさいと言ってもできない」と村上さん。

 そこで親もその本を読み、子どもに「どんなところで、面白いと思ったの?」「どうしてかわいそうと思ったの?」と問いかける。「お母さんもかわいそうと思った」と共感を示してあげたり、「助けてあげたいと思ったの? 優しいね」とほめてあげたりすると、子どもは自分の気持ちをもっと伝えたいと思い、言葉が出てくる。

 子どもがつぶやいた内容をメモして、親子で感想を言い合うと、さらに読みが深まっていく。子ども自身が忘れてしまっている関連する経験を、「こんなこともあったね」と思い出させてあげることも大切だ。

 注意すべきなのは、「子どもが話しているときは話を中断させず、親の考えを押しつけないこと」と村上さんは指摘する。

「箇条書き」と「順番決め」をしてから

 メモができたら、子どもが気に入った点や感動した点、主人公と似ている経験、本に紹介されていてやってみたい点などに分類し、箇条書きにして並べる。何を書きたいか、どんな順番で書くかを決めさせ、そこで初めて子どもにペンを持たせる。

 親子で思いを深めた後だけに、何をどう書けばよいのか、子ども自身が把握しやすくなっている。疲れた様子だったら「少し休んでまた書こうね」と休憩させ、書き終えたら「よく頑張ったね」と励ますと良い。

 最後は推敲(すいこう)。意味がよく伝わらないところや、自分の思いが十分に書けていないところを、子の思いを大切にしながら直させる。「○○を読んで」という題名は避け、子どもが書いた中身を表す題名にする。

 村上さんは「読書感想文を完成させると子どもはものすごく力が付き、自信にもつながる」と指摘。「上手下手には関係なく、自分の意見をまとめることが大切」と話す。