子どもに寄り添って…お弁当を無料提供「秩父おひさま食堂」 今後は学習支援も

久間木聡 (2022年8月24日付 東京新聞朝刊)

生沢さん(中央奥)とともに五目ちらし作りをする秩父おひさま食堂のスタッフ=埼玉県秩父市で

 持ち帰り弁当の無料提供などを通じて、子どもたちの居場所づくりを目指すグループ「秩父おひさま食堂」が、埼玉県秩父市を拠点に活動している。「食事以外に宿題の手伝いなどの要望にも応えていきたい」と今後を見据える。

子どもの将来を下支え、農家が食材寄付

 おひさま食堂は、市の民生委員も務めた生沢(いけざわ)章恵さん(77)を中心に、秩父地域の有志14人で今年4月に発足。地域の小学生たちに染め物を教えたり、読み聞かせをしたりしていた生沢さんの「子どもたちの将来を下支えしたい」との思いからだった。

 コロナ禍の収束が見えない中、市福祉女性会館で月に一度、スタッフが同会館内で手作りした持ち帰り弁当を無料で提供する取り組みを5月にスタート。先着50人の事前予約制で、メンチカツや卵焼き、唐揚げやナポリタンなど、子どもが好みそうなメニューをそろえる。「お弁当の中身を皆で考えるのも楽しい」と生沢さん。グループの活動を知り、食材を寄付してくれる農家も増えているという。

 今月13日も五目ちらしとマカロニサラダ、デザート入りの弁当48食を、スタッフ10人が約2時間かけて用意。午後4時から提供を始めると、続々と親子連れらが訪れ「ありがとうございます」「助かります」などとお礼を言って受け取った。

フリースクールの要素もある憩いの場に

 生沢さんは「活動に賛同してくれたスタッフには感謝しかない。ゆくゆくはフリースクールの要素も備えた、多面的な憩いの場をつくりたい」と話す。10月のハロウィーンにちなんだ催しも構想しているという。

 手作り弁当の無料提供は今後、9月17日午後4~5時と、10月以降の毎月第2土曜正午~午後1時、市福祉女性会館で開催予定。先着50人。

 各月の予約申込期間などの問い合わせは、生沢さんの電話=0494(22)2943(午後4~7時)、または電子メール=chichibuohisama@ymail.ne.jp=で受け付けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年8月21日