コロナ禍で小中学生の長期欠席が増加しています 支援するNPO「居場所や相談窓口があると知ってほしい」

神谷円香 (2022年1月17日付 東京新聞朝刊)
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子どもたちが工作など思い思いの活動ができる居場所=横浜市鶴見区で

 長引く新型コロナウイルス禍のもと、学校を長期欠席する小中学生が増加している。支援が行き届かない中、子どもの居場所を提供する横浜市鶴見区のNPO法人「フリースペースたんぽぽ」は、家にこもりがちな子がいる保護者の相談に応じ、定期的に交流会も開いている。

「感染回避」横浜市では昨年度に885人

 横浜市教育委員会が昨年10月に発表した2020年度調査によると、年間30日以上学校を欠席した小中学生は7835人。このうち不登校は5687人で前年より165人減ったが、新型コロナの感染回避を理由とする長期欠席が885人に上った。

 対処策として、スクールカウンセラーや養護教諭などによる相談・指導を利用する小中学生が多く、市が校内の別教室や校外施設などで行う支援事業を利用しているのは378人。民間による支援を受けているのは、学校が把握できる範囲で290人。長期欠席者の多くは、家と学校以外の居場所を得づらい状況にいる実態が浮かぶ。

 「長期欠席は新型コロナ関連も入れれば激増。その大半はフリースクールなどにも行かず、引きこもっている」。元高校教諭で、現在は非常勤教員でたんぽぽの理事を務める一之瀬百樹さん(67)は危機感を強める。

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悩む保護者の相談を随時受け付ける一之瀬さん(左)と青島さん

 青島美千代理事長(62)も「2020年の一斉休校明けには登校するようになった子もいたが、分散登校などが終わって通常に戻るとまた行けなくなり、気持ちが沈んじゃった子もいた」と話す。保護者から、昼夜逆転の生活による子どもの体調不良の相談も多いという。

ゆっくり休めば、やる気が湧く時もある 

 たんぽぽは2008年にフリースペース(有料)を開設。不登校などの生徒に対し、「学校に戻すのを基本にはしない」という方針で、子どもが心身を休め、自ら学ぶ意欲を持つのを支える。週4日開き、好きな時間に来て過ごす。

 青島さんは、自身の子ども2人が不登校だった経験があり「不登校の理由はいろいろで、小学生は特に表現できない。ただ、ゆっくり休めばやる気が湧いてくる時もある」と実感を込め「居場所や相談窓口があると知ってほしい」と呼び掛ける。

 現在は新型コロナの感染対策で1日当たりの定員を6人、開所時間を午後1~4時として運営中。電話やメールでの相談は開所する月、火、木、金曜に無料で受け付ける。木曜午後に行う面談は予約制、1時間1500円。22日午後2~4時、オンライン併用で保護者同士の交流会を開く。参加費500円。申し込み、問い合わせはたんぽぽへのメール( info@freespace-tanpopo.com )、または電話=045(834)7970で受け付けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年1月14日

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