〈えほん〉「だれのせい?」作・ダビデ・カリ 絵・レジーナ・ルック-トゥーンペレ 訳・ヤマザキマリ
長壁綾子 (2023年3月17日付 東京新聞朝刊)
気高いクマの兵士は剣の切れ味を試すため、森中の木を切り倒していた。ある日、自分の住むとりでがダムからあふれた水により壊れてしまう。怒ったクマの兵士はダムへと突き進む。だが、ダムの門番たちは、水門を閉められなかったのはバビルサのせいだと言う。
登場する動物たちのように、私たちは自身に起こった思いがけない出来事の原因を誰かのせいにしようとする。やがて問題の原因は自分自身にあることを自覚することが平和を導く。戦争が続く今、そのメッセージが響く。
1980円。green seed books=電話090(9335)3999。