絵本・紙芝居作家まついのりこさんの伝記 ベトナムの出版社が刊行 紙芝居の普及に尽力した縁で
ベトナム政府から文化功労章
まついさんは1934年、和歌山県生まれ。武蔵野美術大で学び、三鷹市で暮らした。自身の子どものために作った絵本を原点に多くの作品を手がけ、「ころころぽーん」(福音館書店)で1976年にボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞。赤ちゃん向け絵本「じゃあじゃあびりびり」(偕成社)はロングセラーとなっている。まついさんはベトナムでの活動で、同国政府から文化功労賞も受けている。
伝記本はベトナムの作家ヴァン・タイン・レさんが執筆し、翻訳家の樋口ホアさんが日本語に訳した。サイズは幅20センチ、縦24センチ。ベトナムから届いた本を見て、まついさんの長女で壁画家の松井エイコさん(65)と次女のパントマイミストの朝子さん(57)は「ベトナムの人たちの心が込められた本に、平和と子どもたちの幸せを求めて歩んだ母の人生のすべてが光となって輝いていると感じた」などと話した。
問い合わせはメール(p_pro.ject@icloud.com)か、ファクス=0422(41)5900=で受け付けている。
[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年5月17日]
三鷹でお祝い ベトナム語版「おおきくなあれ」紙芝居
絵本・紙芝居作家まついのりこさん(1934~2017年)の足跡をたどる伝記が、ベトナムの出版社から刊行されたのを祝うミニ集会が21日、三鷹市の井の頭公園近くで開かれた。
集会には、まついさんが深く関わった「紙芝居文化の会」関係者ら約40人が参加。長女で壁画家の松井エイコさん(65)と次女のパントマイミストの松井朝子さん(57)は「感謝の気持ちでいっぱい」などとあいさつした。
本を執筆したベトナムの作家ヴァン・タイン・レさんから寄せられた「心から芸術や子ども、平和に尽くしたのりこさんを尊敬する」とのメッセージを、本を翻訳した樋口ホアさんが代読。ホアさんはベトナム語版の紙芝居「おおきくなあれ」を実演し、大きな拍手が送られた。
紙芝居文化の会の酒井京子代表は、まついさんと取り組んだ紙芝居文化の会の立ち上げやベトナムでの普及活動を振り返った。
伝記は「まついのりこ~知らない土地も愛することでやがてふるさととなる~」。ベトナム語版と日本語版が1冊になっており、共通ページを含めた日本語面は約90ページ。
伝記はクレヨンハウス東京店での取り扱いが決まった。問い合わせは、クレヨンハウス東京店 子どもの本とおもちゃ売り場=電話0422(27)2114=で受け付けている。