〈えほん〉「あまがえるのたんじょう」作・たてのひろし 絵・かわしまはるこ
長壁綾子 (2023年6月14日付 東京新聞朝刊)
夜の水辺からにぎやかな大合唱が聞こえてくる。「きゃっきゃっきゃっきゃっ」と、鳴いているのはあまがえる。あまがえるは、水の中でたまごを産み、たまごはしばらくするとおたまじゃくしに。多くの生き物が暮らす水中では、おたまじゃくしをエサにするものも。生き残ったおたまじゃくしは、姿を変えていく。
長年、あまがえるの飼育と田んぼでの観察を重ねた生物画家が、生き生きとした姿を描く。美しくも厳しい自然の中、力いっぱい遊び、学び、悩みながら「今を生きる」あまがえるたちの成長物語。
1540円。世界文化社=電話03(3263)5115。