赤ちゃん連れて旅行はダメ?「おっぱいサミット」で考える

(2018年10月21日付 東京新聞朝刊)
 赤ちゃんと旅行してはいけないの? 「第2回全日本おっぱいサミット-旅する“おっぱい”」が27日午前10時半から、東京都渋谷区内である。9月の北海道地震では、乳児連れの観光客への批判的な声がネット上をにぎわせた。議論を通じ、母親らが孤立しない未来を探る。

北海道地震きっかけ、ネットの批判にため息

 最大震度7を記録し、多くの観光客らが旅先で足止めされた北海道地震。乳児連れの母親がミルク不足で困っていると報じられると、ネット上では「そもそも子どもが大きくなるまで旅行を控えるべきだ」「赤ちゃんを連れて旅行するべきじゃない」といった批判が多く上がった。

 「妊産婦の死亡原因の1位は自殺」のニュースがあった直後の出来事。サミットを企画した授乳服ブランド「モーハウス」(茨城県つくば市)代表の光畑由佳さんは「ため息が出た。こういう声が母親を追い詰め、我慢を強いてしまう」と胸を痛めたという。

おっぱいサミットについて語る光畑さん=港区で

 サミットは、こうした問題意識から企画された。光畑さんは「旅によって、小さいうちから多様な人と触れ合え、子どもにも残る物がある。赤ちゃんが泣いても、抱っこや授乳は最強のツール。これらを持っていることを思い出し、ママたちの自信につながれば」と期待する。

「旅育」で子どもの感性育てたい

 サミットでは、家族旅行を通じて子どもの感性を育てる「旅育(たびいく)」にも注目し、旅行ジャーナリストの村田和子さんら5人が登壇する。海外旅行ガイドブックシリーズの「地球の歩き方」を刊行するダイヤモンド・ビッグ社前社長の藤岡比左志さんが進行役を務め、育児中の気象予報士、井田寛子さんも体験談を語る。

昨年開催された全日本おっぱいサミットの様子=渋谷区で

 主催は、公共の場での授乳についてを追い掛けるライターや編集者による「ライターズネットワーク」と、NPO法人子連れスタイル推進協会。場所は、東京ウィメンズプラザ(神宮前五、東京メトロ表参道駅から徒歩7分)。前売り1500円、当日2000円。18歳以下無料。子連れや学生、男性の参加も歓迎している。問い合わせは、サミット実行委員会へ。