<そのときどうする㊦>家具の固定はリビング&寝室を優先的に
胸より高い家具を固定&優先するのは寝室やリビング
内閣府の調査では、自宅の家具を固定している人は東日本大震災前の2009年は26%だったが、震災後の13年は41%に急増。だが、その後はほぼ横ばい。固定していない理由として、「やろうと思っていても先延ばしになっている」「面倒だから」と答えた人が多かった。
岡田さんは、高さが自分の胸よりある本棚やたんすは固定する必要性が高いという。固定の方法は家具と壁をL字形の金具で留めるのが一番望ましい。冷蔵庫も最近は裏面の上部に取っ手やフックが付いていて、壁に固定できるようになっている製品が多い。
ただ、家が賃貸だったり、壁や家具の素材の問題で金具を固定できなかったりする場合は、天井との間に突っ張り棒を入れてもいい。その際、家具の四隅の丈夫な場所に固定するのが重要だ。家具の天板は、比較的薄いこともあり、揺れで割れてしまうこともあるからだ。天井の板も薄いことがあるため、当て板をするといい。「加えて、家具の下の前の方にストッパーを入れて後ろに重心がかかるようにしておけば、一層倒れにくくなります」と岡田さんは勧める。
食器棚などのガラス面やテレビの液晶画面などは、フィルム状のシールを貼ってガラスなどが飛び散らないようにしておきたい。テレビは、テレビ台と固定できるタイプの粘着マットもある。窓ガラスも、飛散防止フィルムを貼ろう。岡田さんは「すぐに全てやるのは難しいが、まずは家族が長い時間をすごすリビングや寝室を優先して」と呼び掛ける。
食品の備蓄は普段食べ慣れたものを
家具固定の次に、やっておきたいのが生活必需品の備蓄だ。災害時にないと最も困る水は、1日あたり1人2~3リットルが目安。1週間分は備蓄したい。
買ったまま賞味期限切れにしてしまう家庭が多いが、岡田さんは「1年に1回、備蓄食料を点検するのが理想」と言う。賞味期限が近い食料は、食べて買い足す「ローリングストック方式」を勧める。「災害のときは疲労とショックが重なり体調を崩しやすい。普段から食べ慣れたものを口にできると安心につながる」と話す。岡田さん自身、缶詰や米などを多く買い、ローリングストックを日頃から実践しているが、習慣になれば無理なく続けられるという。
岡田さんは、懐中電灯と助けを呼ぶ笛をかばんに入れて持ち歩いたり、防災袋を玄関に用意したりと、災害に備えているという。「大阪の地震を自分のことと捉え、備えを万全にしてほしい」と力を込める。
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