「三角食べ」は本当にいいことなの?「ばっかり食べ」はダメ? 管理栄養士に聞いてみた

(2018年11月10日付 東京新聞朝刊)
 「小学生の息子の食事はいつも『ばっかり食べ』。食べ残しやマナー違反が心配です。今のうちにやめさせるべきでしょうか?」という保護者からの質問が届きました。食べ方について取材しました。


関連記事子どもの食べ残しを減らすには?「給食日本一」のカリスマ栄養士に聞きました


1970年代に一部地域で推奨 40代記者も習慣に

 最初におかず、次に汁物という具合に1品ずつ順に食べ切るのが「ばっかり食べ」。一方、おかず、ごはん、汁物、牛乳などの飲み物を一口ずつ行ったり来たりするのが「三角食べ」と呼ばれます。

 三角食べは1970年代ごろから一部地域の学校で推奨されたといわれます。給食行政に詳しい専門家は「『完食させたい』という学校現場のニーズから出た指導では」と推測します。ちなみに東海地方出身の記者(40代)は小学校で三角食べを指導され、今もその習慣が抜けません。

 文部科学省が2007年に発行した「食に関する指導の手引」には、「主食とおかずは交互に食べる」の記載がみられます。では、ばっかり食べは良くないのでしょうか?

専門家は「どちらにもメリットとデメリット」

 「どちらにもメリット、デメリットがある」と話すのは、管理栄養士の成田崇信さん。

 三角食べの長所は、並行して食べ進むため、残しても比較的栄養バランスがとれること。また硬さが異なるものを混ぜて食べるとかむ回数が増え、肥満防止に役立ちます。ただ、混ざると味が薄まるため味付けが濃くなりがち。また食材が混ざるのを嫌う子は食事が苦痛になる、という短所も指摘します。

 ばっかり食べも、懐石料理のように、一つ一つの食材の味を楽しめる利点はあるものの、嫌いなものや後回しにしたものの食べ残しにつながる欠点も。

 近年、学校での三角食べ指導は「行きすぎた管理教育」などと批判され、衰退気味。成田さんも「食べ方に正解や優劣はない。子どもの成長に必要な栄養をとれていれば、どちらも問題ない」と指摘します。「ご飯と一緒に食べておいしい献立もあれば、単品で味わうものもある。決め付けず、料理に合った食べ方を勧めるのも良いと思います」

コメント

  • 基本的に好きに食べたらいいと思いますが、焼き魚は冷めると骨が取りにくくなって、下手な人ほど身がもったいないから先に食べて欲しいの。
    さち 女性 40代 
  • 私も東海地方の四十代。小学校で三角食べを強制されました。 給食以外ではそんな食べ方しません。普通は薄味のものから濃い味のものへと食べ進みますよね。三角食べだと薄味の料理が不味いんです。 そ
     --- ---