「給食のパーティションは必要?」に反響続々 大人は外食を楽しんでいるのに…
坂田奈央 (2022年5月6日付 東京新聞朝刊)
「1年生はいいなあ、パーティションが透明で」。小学2年の娘のこんなひと言を機に、給食時のコロナ感染対策についてコラムを書きました。記事に寄せられた声からは、学校ごとに対策にばらつきがあることが見えてきます。
娘の小学校では、乳白色のパーティションを使っています。向こう側は見えません。二つ折りタイプで、前と右側にできる壁を見つめながら、ひたすら黙食をしているそうです。透明のものを使っている1年生がうらやましい、という冒頭の訴えでした。
「まさにうちのことが書かれていると驚きました」。子どもから同じ話を聞いていたという40代の女性は、給食へのストレスで不登校の道に入りそう、と不安な思いを書き込みました。
一方で「パーティションなんてうちの学校はないです」という30代女性も。「やってる感だけの感染対策で、成長期にある子どもの心をつぶしてしまっている」と指摘します。「食事が面倒だとか、嫌いだ、と思う子どもたちが出てくるのでは」(別の40代女性)と危惧する声もありました。
娘とほぼ同じ給食環境という同僚の小学3年の息子さんは、漫画で見た向き合って話しながら食べる給食の場面を「僕のあこがれ」と話したそうです。
かたや大人たちは、対策の上、外食も楽しんでいます。学校の対策の「やりすぎ」を疑う声も、十分な対策を求める声もあります。難しい判断です。だからこそ、子どもの視点を想像した工夫はしてほしい、と願います。まずはパーティションを一律透明にするところから―。
(写真は、給食前に机に簡易パーティションを立てる生徒たち=関東地方の公立中学校で。記事本文とは関係ありません)
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