〈清水健さんの子育て日記〉17・七五三 天国の妻へ「ママ5歳、おめでとう」

(2019年11月22日付 東京新聞朝刊)

ママ見てますか。七五三です

縄跳びで転んでも大泣きしない 強くなったね

 パジャマの上着がめくれておなかがでている。起こさないようにそっと、ズボンの中にいれて、掛け布団をかけなおし、息子の頭をなでる。気持ちよさそうな寝息をたてて、どんな夢を見ているんだろう。仕事で疲れていても、ついさっきまでわがままを言っていても(笑)、たまらなく幸せを感じる時間です。


〈前回はこちら〉もうすぐ七五三 パパ5年生の「ありがとう」


 幼稚園から申し訳なさそうな電話。「今日、縄跳びの時にこけてしまって。頭を少し打ってしまったので冷やしたのですが、様子をみていただけますか」。いえいえ、それぐらいは! 家でも変わった様子なく大丈夫そう。「痛かった?」「泣いた?」って聞いたら、「ちょっとだけ涙が出たけど、ポロポロとは落ちなかったよ!」。

 うん、強くなった。2人で公園でかけっこして、ちょっとひざをすりむいては「絆創膏(ばんそうこう)貼って!」と大泣きしていたのはいつだっけ(笑)。

パパの知らないところで、できることが増えた

 冷え込む日も多くなった夕方。「よしっ、じゃ、2人で練習だ!」。そう言って、上着を1枚、押し入れから出して着せ、縄跳びをもって公園に。「はい、はい」と僕がリズムをとると、身長に合わせた縄跳びを息子は必死に回してジャンプ。まだ、連続とはいかないけど、うん、頑張ってる。

 少しのけがなら涙も我慢できるようになったし、コマ(補助輪)なし自転車だったり、ひらがなの練習だったり、親は「できているかな」と、ついつい焦ってしまうけど、お友だちと触れあう中で、自分で気づいて、パパの知らないところでできたりしている。お風呂の中で「できてるね!」って褒めても、照れて話をそらしたりするけど、その顔は誇らしげ。

多くの人に支えられ、またひとつ大きくなった

 多くの人に支えられて息子も5歳になりました。1年前の子育て日記にはこう書きました。「小さいって思っていても、息子も4歳に。妻が僕たちの横からいなくなってしまった時、3カ月だった息子が。僕一人では無理だった。皆さまに助けられての今。ほんとに頑張ってるよわが息子は。息子に『おめでとう』だね、ママも4歳『おめでとう』」。みんなに支えられて、またひとつ、大きくなりました。ありがとうございます。

 1年の成長の重み、わが息子よ、おめでとう。妻にも「ママ5歳、おめでとう」。「寂しくなんてない!」と言えば、強がりかもしれないけれど、隣にとびっきりの笑顔が今日もあります。パパも5年生。「伝える」ということを大事に、みんなが背中を押してくれる場所へ進んでいきますね。 (フリーアナウンサー)