〈清水健さんの子育て日記〉24・真夏のセミ捕り パパに内緒で…カッコつけるのも成長の証し

(2020年8月14日付 東京新聞朝刊)

清水健さんの子育て日記

写真

何を捕まえた?

「パパ、捕まえたよ!」

 ソーッと虫網を木に近づける。そして、振りかぶった網を地面にたたきつけて、「パパ、捕まえたよ!」と大きな声で僕を呼ぶ。

 2人して木を見上げてセミを探していた途中、隣の息子の姿が見えなくなったと思ったら、少し離れた木の下で歓声をあげている。何度か網に入る直前に逃してしまい、悔しそうな表情を見せていた息子。おそらく、また逃してしまう姿を見られたくなかったのだろう。パパに内緒で挑戦、そういう時に限って、予想外に成功してしまう(笑)。

 かっこうをつける、そんな姿も成長の証し。早く知らせたい、息子のその声は、誇らしげでした。

朝6時から誘われ公園へ

 朝起きて、ベランダの窓を開けるとセミの声が聞こえて「お仕事の時間まで行こうよ!」と、午前6時から息子に誘われて公園に。暑さは、前の日、仕事の帰りが遅くなった寝不足の体にはこたえるけど、こうやって成長を感じて、誇らしく思える時間が、パパの頑張れる力です。

 夏のはじめ、物置から出した黄色い虫かごを、首にかけようとしたらひもが短い。昨年はひもを2回ほど結んで長さを調整したのに。中敷きを入れて大きさを調整していた幼稚園の通園靴も、ワンサイズ大きいのに履き替えた。

 虫よけスプレーを忘れて汗をかいた足を蚊に刺され、親子でどっちがかゆいかを自慢しあう。長い時間ではないけれど、こうやって、走り回って、笑いあって、成長を感じられる時間を大切にしたい。

「パパ、恥ずかしいよ」

 この夏はベランダにカブトムシもいる。「パパすごいね!」って目をキラキラさせて虫かごをのぞく息子を見ていると、昆虫は得意な方ではなかったけど、カブトムシの飼育方法も調べるし、苦手だったセミも虫かごにいれます。

 散歩も兼ねて2人でブラブラと歩く。なんだか、抱っこしたくなって、息子を持ち上げる。「パパ、恥ずかしいよ」と言いながら、なんともいえない、うれしそうな顔を見せてくれた。いつまでも小さくはないし、いつか身長も抜かされると思うし、もしかしたら「オヤジ」と言われるかもしれないけど(笑)、腕にかかる成長している重さは、すごくすごく幸せな時間で、疲れを癒やしてくれた。

 こうやって5歳の息子に守られているのかなと感じた2020年の夏。お盆には、いつもより長くママの写真の前に座って手を合わせ、息子の成長を報告しました。(フリーアナウンサー)

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