川越市の観光施設「小江戸蔵里」がフードバンク立ち上げ  おもちゃや生活用品も提供します

中里宏 (2021年6月20日付 東京新聞朝刊)

まちづくり川越の立原雅夫社長(左)から菓子などを寄付される時野さん(中)と上蓑さん(右)=川越市で

 埼玉県川越市の観光スポットの一つ市産業観光館「小江戸蔵里(くらり)」が、子ども食堂やフードパントリー活動のためのフードバンク「蔵里おやつステーション」を立ち上げ、月1回、市内で子ども支援を行う「チームひだまり」(上蓑(うわみの)礼子会長)と「川越子ども応援パントリー」(時野閏(じゅん)代表)に菓子類などの食料品や玩具、生活用品を提供することになった。15日現在で市内の企業25社が支援に参加する。

食品ロスの削減にも貢献

 観光客向けに地元産品の販売を行う小江戸蔵里は、川越商工会議所の立原雅夫会頭が社長を務める「まちづくり川越」が運営。同社の恩田美也子営業課長代理によると、昨年は緊急事態宣言から約半年間休館し、毎月200個単位で商品が消費期限を迎えていった。恩田さんは「県からフードパントリーを行う団体を紹介されたことで、食品ロスの削減や持続可能な町づくりに貢献できることになり、よかった」と話す。菓子屋横丁の菓子店や老舗の和菓子店、卸会社などが「お菓子で笑顔になって」と呼び掛けに応えた。

 川越市でフードパントリーや学習支援などに取り組んできた上蓑さんと時野さんは「お菓子だけでなく、野菜や玩具まで準備していただいて感激している」「子どもたちが社会の温かい応援に心を強くして、未来を迎えられる」とそれぞれ感謝の言葉を述べた。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年6月20日