南青山の児童相談所問題「なぜ南青山?」住民説明会で反対続々 「施設は必要」との声も

山田祐一郎 (2018年12月17日付 東京新聞朝刊)
 東京都港区が南青山に建設を予定する児童相談所(児相)の計画についての住民説明会が14、15日に赤坂区民センターであり、計約300人が参加し、関心の高さをうかがわせた。 

300人が出席、100億円超の事業費にも批判

 港区は2021年4月の児相開設を目指している。今年10月に住民説明会を開催した際、「施設は南青山にふさわしくない」などの反対意見が相次いだ。

 今回の説明会は、区が住民の理解を得るためにあらためて開催した。15日は、住民側から「なぜ南青山でないといけないのか。立地を検討した経緯を明らかにしてほしい」など、100億円を超える高額な事業費への批判や立地への疑問の声が上がった。

 区側は、適した区有地がなく、国からの土地取得は適正だったとし「子どもの命と生活を守る施設だ」と理解を求めた。児相の専門職員の研修などを行う機関の担当者も、区が児相を設置する意義を強調した。

「ブランドイメージ損なう、には賛同できない」

 説明会に参加した子育て中の30代主婦は「子どものための施設は必要だと感じる。青山のブランドイメージを損なうという住民には賛同できないが、100億円のコストについての区の説明は不十分だと思う」と話した。

 児相は、児童福祉法改正で、港区などの特別区でも設置できるようになり、区は児相と一時保護所、現在みなと保健所(三田)にある子ども家庭支援センターなどの機能を持つ「(仮称)子ども家庭総合支援センター」の建設を計画。昨年11月に南青山5丁目の国有地を取得した。