息子が引っ張ってくれた、親子ふたり旅〈清水健さんの子育て日記〉58

(2024年1月24日付 東京新聞朝刊)

笑いあえるって最高です! 引っ張りあえる親子でいたい

わからないフリして、任せてみた

 空港や駅での案内、何をどこで食べるか。僕はわからないフリをして、息子に任せてみる。時間を気にしながら、慎重な息子らしく何度も案内板で確認し、僕を引っ張ってくれた「親子ふたり旅」。

 出発は朝の5時30分。「起こしてよ!」の僕の言葉を受け、午前3時ごろから隣でゴソゴソして、準備万全の息子。まずはバスで空港へ。搭乗口には1時間15分前に到着。「まだ時間があるね」と売店で飲み物などを買おうとする僕の横で、乗り遅れないかと、ドキドキしながらアナウンスを聞いている。

 大分空港からはレンタカーで2時間の移動。旅の目的は、息子が大好きなプロ野球ソフトバンクホークス・柳田悠岐選手の自主トレ見学。ナビの案内を繰り返し教えてくれる息子。球場に着いてからは、お気に入りの写真を撮ろうと何度も場所を変える。

 夜は、海が見える温泉を調べて入る。いつもは「もうあがろうよ」という息子なのに、この日は「もうちょっと入っていようよ!」。その言葉がうれしい。楽しんでくれている。夜の食事は、営業が終了してしまったお店が多かったけれど、携帯に向かって「近くのおいしいご飯屋さんは?」と何度も話しかけてくれていた(笑)。

 翌日、大分から3時間、福岡へ向かう。眠たいだろうに、ずっと話している。家を出る前、ばあちゃんの、前日まで静岡県へ出張だった僕を「安全運転するように見といてよ」との言葉があったからだろうか。何を話したかははっきり覚えていない。でも、ふたりでずっと話していた。福岡に着き、博多ラーメンを食べる。気付けば、僕と同じ量になっている。成長してくれている。

「僕をもうちょっと信じてよ!」

 「教科書を写す宿題はやった?」「あの宿題は金曜日までだからまだ大丈夫!」「ほんと? 今日じゃないの?」。この会話は何回目だろうと思っていたら、息子が「僕をもうちょっと信じてよ!」と。ごめん、何度も。そうだよね、空港でも大分でも、福岡でも迷わなかった。息子が選んでくれた博多ラーメンもおいしかった!

 久しぶりに会う友だちや仕事仲間が「息子さんは何歳になった?」「小学3年生です」「そうか、早いな」。確かに早い。あっという間だったような、すごく大変だったような。過去形ではなく、まだまだこれから続く子育て。やっぱり3人が良いなと思ってしまうこともあるけれど、成長を一番近くで見られる幸せ、こうやって、息子とともに歩める人生に感謝です。

清水健(しみず・けん)

 フリーアナウンサー。9歳の長男誕生後に妻を乳がんで亡くし、シングルファーザーに。

コメント

  • 何年か前しみけんさんの講演会夫婦で参加しました。子供さん大きくなりましたね😃これからも応援してます🎵
    ばあちゃん 女性 60代 
  • 私が29歳、子供達が5.2.1歳の時から、シングルマザーです。 寂しい、辛い、孤独の中、その気持ちを押さえつけながら、精一杯の笑顔を作り、子供の喜怒哀楽を受け止め、わたしの感情は誰が受け止めてく
    みーこ 女性 50代