「予期せぬ妊娠、生後5日で息子を…」の記事に反響 「最善策としての決断」「養子縁組や里親の制度を知ってほしい」
「ありえない」と思っていたけれど
8年間の不妊治療を経て、特別養子縁組した息子を育てる夫婦は「生みのお母さんの気持ちを知り、いろんな背景や気持ちがある中で、わが子のための最善策としての決断なのだと再確認できました。バトンを受けた者として、しっかりと親となれるよう責任を持って子育てさせていただきたい」と投稿してくれました。
「以前は子どもを産んだのに育てられない親はありえないと思っていた」という女性は、自身が思い通りにいかない育児に直面し、考えが変わったそうです。「育てたくても育てられない人がいる。産みたくても産めない人がいる。両者を結ぶ制度が普通になり、特別な目で見られない世の中になることを願います」
「私を育ててくれたのは養父母です」
養子の立場からの声も寄せられました。6年生の時に、育ての母から養子であることを明かされたという64歳の女性は「養父母はもちろん、周りの親族は血のつながらない私にも、他の従兄弟たちと同じように接してくれました」と振り返ります。
女性は今、自分を養父母の元に預けた生みの母親に感謝していると言います。「生みの母は生きているだろうか。母を捨てて逃げた父親は、私が産まれたことも知らずに生きてきたのだろうか。その二人のあれからの人生が幸せだと良いな!と思える私を育ててくれたのは、紛れもない養父母です」と、生みの母と育ての親への思いをつづり、「今回の赤ちゃんも養父母のご家族皆さんに守られ、お母さんの決断を、きっと皆に感謝できる優しいお子さんになってくれることでしょう。お母さん、頑張って胸を張って生きてください」とエールを送ります。
育ての親に託された子どもが、将来、自分の立場をどのように受け止めるか。それは、生みの親、育ての親だけではなく、その子を取り巻くすべての人たちにかかっていると感じました。社会全体が特別養子縁組や里親の制度の意義を理解し、当事者を温かく見守り、直接・間接的に支えることが必要です。
事件を繰り返さないため、選択肢を
最後に、「特別養子縁組の制度をもっと多くの方に伝え、命の尊さに勝るものはないのだと気づいてほしい」という方からの投稿を紹介します。「色々な選択をしながら過ごす人生の中で、いわゆる一般的な基準から少しでも離れた選択をすると非難や偏見の恰好の的となってしまう。制度への理解が高まれば、命を託す選択をした何より勇気ある決断を批判されることなどあってはならない。ひとり親でも両親でも、子どもを育てていくことは容易いことではありません。どんなに愛情を持っていても、もどかしい思いを抱える日もあります。核家族化が定着している日本では、社会全体で子どもを見守ることが必要不可欠だと日々感じています。子育てに悩み苦しむパパやママに、これから父母になる人に、身近に苦しんでいる人が見えている方々に、届いてほしい記事です」
予期せぬ妊娠を相談できなかった女性が、赤ちゃんをあやめてしまう事件を繰り返さないために。別の選択肢を身近に感じてもらえるような伝え方を模索しています。
コメント